そして、事態が終息すると…葵が他の黄金聖闘士１人１人に弟の失態を詫びていた。


「本当に申し訳ございません、ディーがご迷惑をおかけっぱなしで！」


先ほどとは１８０度違い、言葉遣いも丁寧になって腰も低くなっている。

皆は先ほどの場面を見ているものだから、少しビビっていた。

デスマスクは頭の治療を童虎にしてもらっていたが、彼の怯えようといったら尋常ではない。

怖いもの知らずで、逆に恐怖の対象となっているはずの彼が何を怯えているのだろう。

皆が首を傾げる中、沙織が執務室へやってきた。


沙織「皆さん、おはようございます。…どうなさったの；？」


執務室の状態を見て、沙織は事情があまり飲み込めないでいた。

誰が説明するよとアイコンタクトを取っていると、葵が恥ずかしそうに全ての事情を話してくれた。


沙織「そうでしたの。葵さん、お手柄ですわｖ　デスマスクにちゃんとお説教できる人材なんてそうそういませんもの♪」

「お恥ずかしい限りです///　私の失態といい、ディーの失態といい…；」

沙織「でも、デスマスクもどうしてそこまで葵さんの事が怖いのですか？」


ひとえにあの迫力だろうと誰もが思っていたが、流石に口にするのは憚られる。

こうして、葵の有能さと恐ろしさは瞬く間に周囲へ広がり、滞在予定１ヶ月の聖域ライフが始まったのである………。


～続く～