第２話「小さな進歩」



ミロが聖域外の任務から戻り、彼は報告をする為に教皇宮へ上がろうとしていた。

その途中、ちょうど宝瓶宮と双魚宮の間で何やら小さな声が聞こえてきた。


ミロ（声…？　いや、人間の声ではないようだが…。）


しかし、気になって周囲を探してみる。

しばらくすると、岩場の影でその声を出していた主を見つけた。


ミロ「これは…。」


そこに居たのは、傷付いた小鳥。

おそらくは大きな鳥に追いかけられ、傷を負わされてここへ身を隠したのだろう。

羽根に傷を負ったのか飛べないようだ。


ミロ「哀れな…。」


人ならば小宇宙を使ってヒーリングできるのだが、鳥にヒーリングは効かないらしい。

どうしたものかと悩んでいると、１人だけこの鳥を治してくれそうな存在が浮かんできた。

ミロは早速小鳥を保護し、マントに優しく包んで教皇宮へ向かった。


ミロ「待ってろ、お前を治してくれそうな優しい子が居るよ。」


シオンへの報告を済ませると、ミロは教皇宮内にある庭園を訪れた。

アテナを象徴するオリーブを始め、たくさんの草花が咲いて皆の目を楽しませてくれる。

その庭園の花壇で土いじりをしている女官の後姿が見えた。

バケツやスコップ、肥料などが横にたくさんあるから手入れの最中だろう。

ミロはその女官へ一歩一歩近づいていった。