ミロ「葵、葵－－－－－っ！」


目を凝らし、必死に葵を探すミロ。

小宇宙を辿ろうにも、彼女の小宇宙は聖闘士ほど感じない。


ミロ「君を…失う訳にはいかない！　俺は、約束を破りたくはない！」


幼い日の守ると言った約束を破りたくはない。

幼い日に守ると言ったのは、聖闘士という大きな役目を負う者として当然の義務だと思っていたから。

そして、大人になっても彼女を守りたいと思うのは、彼女を愛しているから。

愛しているからこそ、守りたいのだ。


ミロ（考えろ、ミロ！　彼女が行きそうな場所を、彼女が居る場所を！）


彼女の情報全てを頭に思い浮かべ、１つずつ考える。

家は無く、親類も肉親も居ない、頼る場所は無い。

彼女のよりどころだったのは、優しかった両親。


ミロ（両親…、彼女の両親は共同墓地に埋葬されていて、週に一度は欠かさず墓参していると葵が教えてくれたが…。まさか、そこか！？）


あても無いまま探すより、少しでも可能性がある方を。

ミロは全力で共同墓地へ駆けて行く。

光速の速さをもってすれば、目的地に着くのは一瞬だ。


ミロ（着いた！　）


門扉をくぐり、死者の眠りを妨げないように、それでも出来るだけ早く移動する。