葵が小鳥の世話をミロに頼まれてからというもの、ミロが葵に話しかけている姿がちょくちょく見られるようになった。

葵は普段と同じく畏まった体勢を崩さないが、ミロは挫けずに明るく話しかけている。

その様子を微笑ましく見ている人物が１人、葵と別れたミロに話しかけた。


沙織「ミロ。」

ミロ「アテナ。」

沙織「近頃、葵とよくお話していますね。」

ミロ「話といいますか…、俺が一方的に話すような感じですが…。」

沙織「葵に託したという、小鳥の様子を聞いているのでしょう？」

ミロ「はい。あの小鳥を見つけたのは俺ですから、気になりまして…。」

沙織「実は、それだけではないのでしょう？　葵に話しかけている理由はｖ」


沙織の顔は意味深な笑顔。

ミロもドキッとしたのか、つい視線を逸らしてしまう。


ミロ「いえっ、私は別に何も…///」

沙織「ミロはとても正直な人ですね。顔は嘘をついていませんことよ？　葵さんに想いを寄せているのでしょう？」

ミロ「アテナ、か、からかわれては困ります///！」

沙織「あら、からかうなんて酷い。…葵の心の傷は今も癒えていないようですが、どうか挫けないで下さいね。きっと、葵も心のどこかでミロや他の聖闘士たちの優しさに感謝しているのだと思います。ただ、聖闘士への恐怖心がそれを表に出させてくれないのでしょう。日々の小さな会話が、きっと彼女の心を開く鍵になりますよ。」

ミロ「…アテナ、この事は…///」

沙織「大丈夫です、誰にも言っておりません。ですが、皆気付いていると思いますよ？」

ミロ「ぐっ…///」

沙織「ミロ、良い結果になるように祈っていますわ。」


沙織はクスクス笑い、神殿へ戻っていった。

残されたミロは、不覚…と呟いていたとか。