シオン「カノン、どうしたのだ？」

カノン「はっ、葵に教皇宮の中を案内しておりました。」

「あの、どうかお気になさらず。お仕事続けてくださいね？　カノンの案内が済んだらすぐに出ますから。」

童虎「ホホッ、気の付く女子じゃの。」

アフロ「麗しき女性がせっかく来訪してくれたのに、執務に没頭するのも失礼だしね。」


ふんわり笑うアフロディーテを見て、葵はドキッとする。


カノン「どうかしたか？」

「うん、アフロディーテさんが綺麗だなぁと思って。」

アフロ「そう言ってもらえると嬉しいよ。だが、君も美しい。」

「ありがとうございます///　アフロディーテさん、ギリシャって日差しとか結構きついのにとっても綺麗なお肌してますね。何か特別なお手入れでも？」

カノン「おいおい；　執務の邪魔になるだろ。」

「あ、そうだね。ごめんなさい、アフロディーテさん。」

アフロ「いいさ、気にしていないよ。それに、私の事はアフロディーテでいいよ、敬称や敬語を使う必要もない。友人として付き合っていきたいからね。」

「…うん、ありがとう。」

カノン「じゃあ、次に行こう。教皇、お邪魔しました。」

シオン「よい。葵、わからぬ事があればカノンに何でも聞くといい。」

「はい。皆さんもお仕事頑張ってくださいね。後でお会いしましょうね。」


そして、カノンと葵は執務室を去った。


アフロ「女優や歌手といえば高飛車な態度を取ってくるイメージがあるが、彼女は良い意味で期待を裏切ってくれたよ。」

カミュ「うむ。それに礼儀正しい。好感が持てるな。」

サガ「さぁ、宴までに残った執務を片付けよう。積もる話は、宴の時でも遅くなかろう？」


そう、宴の時間になればたくさん会話も出来る。

彼らはその時間を楽しみにして、執務に没頭していった。

聖域が珍しい事もあるのだろうが、好奇心いっぱいで葵が日本でも有名な女優には思えない。

元々、歴史や神話には興味があるのも手伝っているのだろうが…。

これから、葵は聖域に何をもたらしてくれるのだろうかと皆が楽しみにしている。