第２話「意識」



葵が聖域にやってきて数日、彼女は１２宮になじみきっている。

その穏やかで優しい人格、女優というのに何処にでも居る普通の女性と思えてしまう飾らない性格が皆に受け入れてもらえたのだ。

もちろん、撮影の仕事もちゃんとこなしているし、黄金聖闘士達とも友好的で順調だ。

沙織も、これなら少しは失恋の傷も治りやすいかもと安心している。


「ディーテ～。」

アフロ「やぁ、来たね。」


そんな中でも、葵はアフロディーテを美のカリスマと崇め、長年の友人のように親しくなっている。

大半は美容の意見交換や、薔薇の話をしているのだが…。


「この間貰った薔薇の化粧水、とっても良いの！　化粧との相性もバッチリ！」

アフロ「それはよかった。間違って肌の調子が悪くなったら、葵のファンに申し訳がないからね。あぁ、今度は薔薇の香水が出来るんだ。使ってくれるかい？」

「もっちろん！　ディーテのお勧めだもん、是非！」

シオン「お主ら…、もう少し我らも入り込めそうな話題を話してくれぬかのぅ…；」

「あ…、ゴメンナサイ；」


葵は撮影も順調だし、画像チェックも終わってから時間が合うとこうやって遊びに来る。

話し相手はたくさん居るが、美容関係になれば相手は必ずアフロディーテだ。


カノン「やれやれ、アフロディーテはすっかり葵専属のビューティーアドバイザーだな；」

サガ「本当だな。アフロディーテも葵を可愛がっているし、見ていて微笑ましいではないか。」

カノン「とはいえ、葵とアフロディーテは同い年だぞ；？」

サガ「それには私も驚いたがな…；」


皆はてっきり葵が１０代だと思っていたが、黄金年中組と同じくらいだと判明した時は流石に驚いたものだ。

やはり、日本人の葵は少し幼く見えるのだろう。