沙織「今、戦神アテナの名の下に、新たなる教皇を指名し、その即位式を執り行うものといたします。…我が全権を代行し、地上の安寧を守り、聖域における全ての存在の指導者となり、仁・智・勇の全てを兼ね備えし者、新たなる教皇として、私は…現射手座・アイオロスを指名いたします。」

シオン「射手座アイオロスよ、アテナのお召しである！　出ませい！」


沙織の正面にある石の扉が少しずつ開いていく。

そこからは聖衣を纏ったアイオロスが出てきて、一歩ずつ沙織に近付く。

彼女の目前まで来ると、臣下の礼を取って跪いた。

沙織は握っていたニケをアイオロスの頭上に翳す。


沙織「我が忠実なる聖闘士、射手座のアイオロス。」

ロス「はっ。」

沙織「そなたを私の全権代理人、教皇に任ずる。異は有りや、無しや？」

ロス「射手座アイオロス、この命ある限り…教皇としてアテナと聖域の為に尽くします。」

沙織「…その宣誓、しかと受け取るものなり。異議ある者は今、この場で名乗り出よ。無き者は祝福と忠誠を彼に奉げよ！」


その言葉に、コロッセオは歓喜の声と拍手が響き渡る。

聖域に仕える者全てが、新たなる教皇アイオロスを認められた瞬間である。

全ての者が望んだ新教皇の即位は、今ここに実現した。