一輪の花
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沙織は迷った。
この一族でこれほど重用されている者を射手座として連れて行っていいものかどうか。
黄竜「城戸嬢。白竜の身の上なら心配無用じゃ。竜に空席ができても、いずれ近い内に新たな白竜が空席を埋める。常に竜は満席にしておくのが習わしでな、後継者もすでに存在するのだ。」
沙織「黄竜翁…。」
黄竜「今日は帰ってこまい。貴女も多忙な身であろう? ここへ戻ったら意地でも聖域へ行かせるゆえ、それで堪忍してくれんかの?」
話し合いの末、白竜が見つかり次第、沙織の執事でもある辰巳が聖域へ送り届ける手はずとなった。
沙織「では、これで失礼いたしますね。」
黄竜「あぁ、もう1つ。」
沙織「?」
黄竜「あれは風の如く気ままな者、暗き過去と罪を背負っておる者。例え神の御意思でも、己の得心行かぬ事には首を縦には振るまい。一筋縄では射手座にならぬ。それを覚えていなされ。」
沙織「…はい。」
黄竜「良い目じゃ。黒竜、門前までお送りせい。」
黒竜「はい。では、こちらへ。」
黒竜の案内で3人は帰っていった。
再び茶を立てようとすると、黄竜はある気配を察して鼻で笑った。
黄竜「おったならもっと早ぅ顔を出さぬか。客人は帰ったぞ?」
?「先ほどまでの話はやはり真実ですか、黄竜。」
黄竜「そうじゃ。」
?「良かったですね、僕が実際ここに居なくて。ここに僕が居れば、城戸嬢の後ろにいた2人を相手にしなきゃいけなかった。」
黄竜「抑えておったが凄まじい気を持っておるようじゃ。白竜、城戸嬢との約束は違えられん。聖域へ赴け。」
白竜「その後は?」
黄竜「そなたの得心いくように動け。そなたの定めがどこにあるか、しかと見定めよ。」
白竜「やれやれ、面倒くさい事は嫌ですが、黄竜の命であれば仕方ない。茶の飲み納めでもしておきますか。」
白竜はそう言うと、茶室にフッと現れて黄竜の前に座った。
黄竜「好きなだけ、飲んでいくが良い。」
白竜「お手前、頂戴いたします。」
2人は向かい合い、奇妙な別れを交わした―――。
~続く~
この一族でこれほど重用されている者を射手座として連れて行っていいものかどうか。
黄竜「城戸嬢。白竜の身の上なら心配無用じゃ。竜に空席ができても、いずれ近い内に新たな白竜が空席を埋める。常に竜は満席にしておくのが習わしでな、後継者もすでに存在するのだ。」
沙織「黄竜翁…。」
黄竜「今日は帰ってこまい。貴女も多忙な身であろう? ここへ戻ったら意地でも聖域へ行かせるゆえ、それで堪忍してくれんかの?」
話し合いの末、白竜が見つかり次第、沙織の執事でもある辰巳が聖域へ送り届ける手はずとなった。
沙織「では、これで失礼いたしますね。」
黄竜「あぁ、もう1つ。」
沙織「?」
黄竜「あれは風の如く気ままな者、暗き過去と罪を背負っておる者。例え神の御意思でも、己の得心行かぬ事には首を縦には振るまい。一筋縄では射手座にならぬ。それを覚えていなされ。」
沙織「…はい。」
黄竜「良い目じゃ。黒竜、門前までお送りせい。」
黒竜「はい。では、こちらへ。」
黒竜の案内で3人は帰っていった。
再び茶を立てようとすると、黄竜はある気配を察して鼻で笑った。
黄竜「おったならもっと早ぅ顔を出さぬか。客人は帰ったぞ?」
?「先ほどまでの話はやはり真実ですか、黄竜。」
黄竜「そうじゃ。」
?「良かったですね、僕が実際ここに居なくて。ここに僕が居れば、城戸嬢の後ろにいた2人を相手にしなきゃいけなかった。」
黄竜「抑えておったが凄まじい気を持っておるようじゃ。白竜、城戸嬢との約束は違えられん。聖域へ赴け。」
白竜「その後は?」
黄竜「そなたの得心いくように動け。そなたの定めがどこにあるか、しかと見定めよ。」
白竜「やれやれ、面倒くさい事は嫌ですが、黄竜の命であれば仕方ない。茶の飲み納めでもしておきますか。」
白竜はそう言うと、茶室にフッと現れて黄竜の前に座った。
黄竜「好きなだけ、飲んでいくが良い。」
白竜「お手前、頂戴いたします。」
2人は向かい合い、奇妙な別れを交わした―――。
~続く~