「君達のやった事は、己の不甲斐なさに対する苛立ちを幼い子供たちにぶつけ、恐怖を植え付け、傷つけた。それにこの手口、過去にも同じような事をここや違う場所でもやってきたのだろう？　残念だが、僕はそれを見逃すほど慈悲深くない。」


白竜が手を翻すと、少年を蹴り飛ばした雑兵の足が、他の者達も四肢のどこかが切り裂かれ、見る間に辺りは血の海と化した。


雑兵「ぎゃああああ！！！！！」

雑兵「ひぃいいいい！！！！！」

雑兵「痛ぇ、痛ぇよおおおお！！！！！」


雑兵全員がのた打ち回るのを尻目に、白竜は沙織に発言する。


「四肢のいずれかを二度と動かぬよう、神経を切断しました。後の処置は貴女にお任せします。」

沙織「厳罰を持って処置します。…シオン、この者達から雑兵の資格を剥奪の上、終身使用人として扱いなさい。」


※使用人＝聖域に仕える非戦闘員の中でも最下層の身分。主に罪人の懲役を兼ねた奉仕身分でもある。仕事は不衛生な場所の清掃などが多く、聖域で最も嫌われる職種。


シオン「御意のままに。誰か、この者たちを使用人の居住区へ連れて行け！」


シオンが教皇宮から連れてきていた衛兵に命じ、元雑兵たちは引っ立てられた。

それを見届けた沙織は、年端も行かない訓練生達の元へ寄り、安心させようと声をかける。


沙織「今まで、辛い思いをさせましたね。」

子供「アテナ様？　…アテナ様だ///！」

沙織「貴方達に会うのは初めてですけど、その頑張りは知っていますよ？　このような頼もしい聖闘士の卵が居る事は、私の誇りです。…これからも頑張って精進なさってね？」

子供「はい！」

子供「頑張ります！」

子供「立派な聖闘士になって、アテナ様をお守りします！」


子供達の純粋な気持ちに触れ、沙織もこの子達を救えてよかったと胸を撫で下ろしたのであった。

そして、白竜の中でも何かが変わりつつある。


～続く～