ロス「皆、何を話していたんだい？」

子供「白竜から、アテナ様や黄金聖闘士様たちのお話を聞いていたんです！」

サガ「何？　何を話していたんだ、白竜。」

「特に変わった事ではありませんよ。日々の徒然です。あぁ、先ほどは貴方とカノンの話を。」

カミュ「サガとカノンの話？」

貴鬼「うん！　サガ様とカノン様がスキンシップすると双児宮が吹き飛ぶんだって話してました！」

黄金「「スキンシップ；？？？」」

「喧嘩というよりスキンシップでしょう、あれは。」


呆れた様にため息をつく白竜。

サガも少し想像していたが、徐々に表情が強張る。


カミュ「スキンシップなんてものじゃないだろう、あれは；」

「では、美しき兄弟愛のぶつかり合いとでも？」

ロス「遅まきながらの兄弟愛か。」

サガ「納得しないでくれ、アイオロス；」


周りに明るい笑い声が響く。


「そういえば、貴方達は此処へどういったご用件で？」

カミュ「訓練生達の生活場の視察を。それと、貴女がこの子達と親しくしているというので、ちょっと様子見に。」

「そうでしたか。」


白竜が毎日のように候補生達の所へ赴き、アテナや自分たちの話をしているというのは貴鬼からムウを通して報告されている。

あまりに楽しそうに白竜の話をしているので、ムウも気になっていたらしい。

よからぬ事を吹き込んでいるのではと危惧する連中も居たが、それこそ杞憂のようだ。


「さて、僕は教皇宮に戻ろうかな。皆、訓練頑張って。」

子供「「は～いっ！」」


訓練生達はすぐにその場から立ち去り、おのおの訓練の場へ向かった。

白竜はそれを見届けるとローブを羽織り、１２宮へ足を進める。


「心配無用ですよ。」


誰に言うでもなく、白竜が零す声。


ロス「心配とは？」

「貴方達と戦ってしまった事は話していません。貴方達の事も悪く言っていませんから。」