一輪の花
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日本、とある屋敷内―――。
手入れの行き届いた美しい日本庭園は見渡す限り続き、目視できる館は全て日本風建築。
時々、獅子落としがカコーンと鳴る。
その屋敷内でも最も奥まった茶室で禿頭の老人が茶を立てていた。
茶を立て終わると、それを客人席の青年に差し出す。
老人「昨日、夢を見た。」
青年「夢を、ですか?」
老人「左様。夢じゃ。」
青年「貴方が見る夢は正夢になりやすい。内容が気になりますね。」
老人「黄竜(こうりゅう)の次に空を駆けていた白竜が…竜の列から離れる夢じゃ。」
茶を飲んでいた客人の手が止まる。
老人「その夢、お主はどう見る?」
青年は茶を飲み終え、作法どおりに茶碗を返した。
青年「白竜が竜の一族から離れる、というところでしょうか。」
老人「その前の星見でも、白竜の星に竜の一族以外の何者かが介入してくる兆しが見えた。恐らく、その者が白竜を連れて行くのじゃろう。」
青年「何者です?」
老人「星は、『世界を守る神の如き存在』と。」
青年「…最悪の介入ですね。」
老人「じゃの。あの白竜の事じゃ、テコでも反対するであろうな。」
青年「白竜は次期黄竜の呼び声が最も高い存在ですし。」
老人「あれは次期黄竜など望んではおらん。」
青年「えぇ。あれはそういう地位にはとんと無頓着ですからね。」
老人「近々、白竜を此処へ呼ぶ。他の竜もな。」
青年「では、さっそく手配を。」
老人「うむ、頼む。」
事務的な会話を終えると、青年はその室内から消えた。
禿頭の老人は、その部屋に掛けられた掛け軸を見つめ、呟いた。
老人「時が来てしもうたか…。」
手入れの行き届いた美しい日本庭園は見渡す限り続き、目視できる館は全て日本風建築。
時々、獅子落としがカコーンと鳴る。
その屋敷内でも最も奥まった茶室で禿頭の老人が茶を立てていた。
茶を立て終わると、それを客人席の青年に差し出す。
老人「昨日、夢を見た。」
青年「夢を、ですか?」
老人「左様。夢じゃ。」
青年「貴方が見る夢は正夢になりやすい。内容が気になりますね。」
老人「黄竜(こうりゅう)の次に空を駆けていた白竜が…竜の列から離れる夢じゃ。」
茶を飲んでいた客人の手が止まる。
老人「その夢、お主はどう見る?」
青年は茶を飲み終え、作法どおりに茶碗を返した。
青年「白竜が竜の一族から離れる、というところでしょうか。」
老人「その前の星見でも、白竜の星に竜の一族以外の何者かが介入してくる兆しが見えた。恐らく、その者が白竜を連れて行くのじゃろう。」
青年「何者です?」
老人「星は、『世界を守る神の如き存在』と。」
青年「…最悪の介入ですね。」
老人「じゃの。あの白竜の事じゃ、テコでも反対するであろうな。」
青年「白竜は次期黄竜の呼び声が最も高い存在ですし。」
老人「あれは次期黄竜など望んではおらん。」
青年「えぇ。あれはそういう地位にはとんと無頓着ですからね。」
老人「近々、白竜を此処へ呼ぶ。他の竜もな。」
青年「では、さっそく手配を。」
老人「うむ、頼む。」
事務的な会話を終えると、青年はその室内から消えた。
禿頭の老人は、その部屋に掛けられた掛け軸を見つめ、呟いた。
老人「時が来てしもうたか…。」