「服も乾いたし、そろそろ戻った方が良いね。」


子供の服を焚き火の側で乾かしていた白竜。

風邪をひかないようにと自分のローブを着せていたので、彼は風邪をひく事はなさそうだ。


子供「ありがとう、お姉ちゃん。お姉ちゃんの名前は？」

「僕は白竜。君は？」

マキシ「僕はマキシ！　お姉ちゃんは聖闘士なの？」

「いいや。城戸嬢、アテナにちょっと御用があって聖域に来たんだ。」

マキシ「白竜お姉ちゃんは、アテナにお会いしたの！？」

「うん。」

マキシ「凄いや！　僕たち、まだ１回もお会いした事無いんだよ！？」

「アテナも、色々とお忙しいんだよ。」


マキシはアテナの話を他の訓練生にも聞かせてあげたいと白竜に強請り、白竜もそれに折れて訓練生の居る場所へ連れて行かれた。


マキシ「ここだよ！」


そこは、石造りの建物がいくつも並ぶ宿舎だった。

宿舎は２階建てで、まだ特定の師が付いていない訓練生の為の物らしい。


マキシ「あっちはお風呂の建物、こっちは食糧庫。」


マキシは嬉しそうに案内し、白竜も日本であまり見ない建築様式に見入っている。


「ここは何人くらいの訓練生が居るの？」

マキシ「僕を入れて２０人くらいだよ。聖闘士になれるのはこの中のほんの少しだけど、皆頑張ってるんだ。」

？「マキシ～！」


そこに、マキシの名を呼ぶ声が響く。

マキシと白竜が振り向くと、そこにはマキシと同い年くらいの男の子が居た。


マキシ「貴鬼！」

貴鬼「マキシ探したよ、オイラ疲れちゃったよ。」

マキシ「ごめん、１人で訓練してたら川に流されちゃったんだ。」

貴鬼「ええっ！？」

マキシ「でも、このお姉ちゃんが助けてくれたんだ。」


貴鬼が白竜を見上げると、貴鬼は驚いた。


貴鬼「ああっ！　姉ちゃんは新しい射手座の！？」

マキシ「えっ！？　お姉ちゃん、黄金聖闘士なの！？」

「いや、まだ決まっていないよ。それに、僕は聖闘士ではないんだ。」

マキシ「どういう事？」


白竜は苦笑いする。