一輪の花
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その後、葵は竜の一族に引き取られた。
最初は両親を手にかけたショックのあまり、食事も睡眠もろくにとらなかった。
しかし、黄竜や黒竜の手厚い看護によって体調は回復、精神的ショックからも少しずつ立ち直る事ができた。
その後、葵はその素質を見抜いた先代白竜に預けられる。
竜の一族として得るべき戦闘術、呪術、学問、そして白竜の名を冠する者の必須、『風使い』としての能力を叩き込まれた。
先代白竜が老いを理由に引退を望んだ時、次期白竜として推薦したのは葵。
先代白竜の部下、他の竜、並びに一族の最高指導者たる黄竜、そして引退した竜たちで結成された元老院、その全てにおいて満場一致で承認されたのが葵、現白竜である。
「私が新たに白竜の名を継ぎました。」
就任における儀式の中、葵は居並ぶ一族の者の前で決意を述べる。
あの幼き面影は無く、美しい娘に成長していた。
漆黒の黒髪は長く伸び、風に舞う。
「黄竜にもお聞きしましたが、歴史長き我が一族でも女の竜は稀有。敵対すべき者たち、また未来敵対するであろう者たち。その者たちに女である事を理由に、一族全てを侮られる事は本意ではありません。よって、私は今この瞬間から『女』である事を封印します。そして、幼き頃、命を救われたご恩に報いる為、この命を一族繁栄に捧げます。これが『僕』の決意と思し召しください。」
葵、いや白竜は長い己の黒髪を握り、自らその長い髪を切り落とした。
女である事を封じる為に。
竜の一族、現白竜、齢16の春の事ーーー。
~続く~
最初は両親を手にかけたショックのあまり、食事も睡眠もろくにとらなかった。
しかし、黄竜や黒竜の手厚い看護によって体調は回復、精神的ショックからも少しずつ立ち直る事ができた。
その後、葵はその素質を見抜いた先代白竜に預けられる。
竜の一族として得るべき戦闘術、呪術、学問、そして白竜の名を冠する者の必須、『風使い』としての能力を叩き込まれた。
先代白竜が老いを理由に引退を望んだ時、次期白竜として推薦したのは葵。
先代白竜の部下、他の竜、並びに一族の最高指導者たる黄竜、そして引退した竜たちで結成された元老院、その全てにおいて満場一致で承認されたのが葵、現白竜である。
「私が新たに白竜の名を継ぎました。」
就任における儀式の中、葵は居並ぶ一族の者の前で決意を述べる。
あの幼き面影は無く、美しい娘に成長していた。
漆黒の黒髪は長く伸び、風に舞う。
「黄竜にもお聞きしましたが、歴史長き我が一族でも女の竜は稀有。敵対すべき者たち、また未来敵対するであろう者たち。その者たちに女である事を理由に、一族全てを侮られる事は本意ではありません。よって、私は今この瞬間から『女』である事を封印します。そして、幼き頃、命を救われたご恩に報いる為、この命を一族繁栄に捧げます。これが『僕』の決意と思し召しください。」
葵、いや白竜は長い己の黒髪を握り、自らその長い髪を切り落とした。
女である事を封じる為に。
竜の一族、現白竜、齢16の春の事ーーー。
~続く~