一輪の花
夢小説設定
風は凪ぎ、目の前には無残に崩れ落ちた屋敷。
屋敷は炎に包まれて、全てを飲み込んでいた。
崩れ落ちた屋敷の下敷きになった両親、家政婦達も直にこの炎の中で灰になるだろう。
葵も魂が抜け落ちたようにその場にへたり込んだ。
「パパ、ママ……。どうして、葵を嫌いになったの? 葵が化け物だから? 化け物じゃなかったら、葵の事を捨てなかったの?」
炎を見ると、優しかった頃の両親の幻覚が見えた。
両親が両手を広げて自分を待っている。
葵はへたり込んだ体に活を入れて立ち上がり、その炎に向かう。
風が止まれとささやいても、もうそれすら聞こえていない。
「パパ、ママ。」
しかし、後ろから腕を掴まれて葵は動きを止めた。
?「この幼子か、先ほどの風は。」
?「そのようです。」
「誰?」
黄竜「ワシの名は黄竜、竜の一族の長じゃ。お主を迎えにきた。」
「竜の、一族?」
黄竜「お主と同じ、力を持つ者の一族じゃよ。そして、こちらにおるのが……。」
黒竜「黒竜といいます。」
黄竜「ワシらと行かぬか? お主にはもはや、帰るべき場所も、待っている者も居るまい。」
「葵、パパも、ママも……! うわぁあああああんっっ!!!!」
葵の泣き叫ぶ声が、赤く染まった夜空に響き渡ったーーー。
屋敷は炎に包まれて、全てを飲み込んでいた。
崩れ落ちた屋敷の下敷きになった両親、家政婦達も直にこの炎の中で灰になるだろう。
葵も魂が抜け落ちたようにその場にへたり込んだ。
「パパ、ママ……。どうして、葵を嫌いになったの? 葵が化け物だから? 化け物じゃなかったら、葵の事を捨てなかったの?」
炎を見ると、優しかった頃の両親の幻覚が見えた。
両親が両手を広げて自分を待っている。
葵はへたり込んだ体に活を入れて立ち上がり、その炎に向かう。
風が止まれとささやいても、もうそれすら聞こえていない。
「パパ、ママ。」
しかし、後ろから腕を掴まれて葵は動きを止めた。
?「この幼子か、先ほどの風は。」
?「そのようです。」
「誰?」
黄竜「ワシの名は黄竜、竜の一族の長じゃ。お主を迎えにきた。」
「竜の、一族?」
黄竜「お主と同じ、力を持つ者の一族じゃよ。そして、こちらにおるのが……。」
黒竜「黒竜といいます。」
黄竜「ワシらと行かぬか? お主にはもはや、帰るべき場所も、待っている者も居るまい。」
「葵、パパも、ママも……! うわぁあああああんっっ!!!!」
葵の泣き叫ぶ声が、赤く染まった夜空に響き渡ったーーー。