一輪の花

夢小説設定

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主人公の名前:変更が有効になるのは第7話からです。

風は凪ぎ、目の前には無残に崩れ落ちた屋敷。

屋敷は炎に包まれて、全てを飲み込んでいた。

崩れ落ちた屋敷の下敷きになった両親、家政婦達も直にこの炎の中で灰になるだろう。

も魂が抜け落ちたようにその場にへたり込んだ。


「パパ、ママ……。どうして、を嫌いになったの? が化け物だから? 化け物じゃなかったら、の事を捨てなかったの?」


炎を見ると、優しかった頃の両親の幻覚が見えた。

両親が両手を広げて自分を待っている。

はへたり込んだ体に活を入れて立ち上がり、その炎に向かう。

風が止まれとささやいても、もうそれすら聞こえていない。


「パパ、ママ。」


しかし、後ろから腕を掴まれては動きを止めた。


?「この幼子か、先ほどの風は。」

?「そのようです。」

「誰?」

黄竜「ワシの名は黄竜、竜の一族の長じゃ。お主を迎えにきた。」

「竜の、一族?」

黄竜「お主と同じ、力を持つ者の一族じゃよ。そして、こちらにおるのが……。」

黒竜「黒竜といいます。」

黄竜「ワシらと行かぬか? お主にはもはや、帰るべき場所も、待っている者も居るまい。」

、パパも、ママも……! うわぁあああああんっっ!!!!」


の泣き叫ぶ声が、赤く染まった夜空に響き渡ったーーー。
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