一輪の花

夢小説設定

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主人公の名前:変更が有効になるのは第7話からです。

父「何しに来たんだ、早く研究所に戻らないか!」


父親の叱責の声が響いた。


「え……? パパ?」

母「そうよ、あなたが研究所に居ればこそ、今の生活があるというのに! ここに戻られちゃ、困るのよ!」

「ママ?」

父「お前を実験台に差し出す変わりに、私はあの科学者を支援する会社の幹部になれた。そして、超破格の待遇と報酬を貰っているんだ。」

母「あなたがここに戻ってきたら、全部返さなきゃいけなくなるじゃないの! 早く戻りなさい!」

「で、でも、研究所は燃えてなくなっちゃったの……。」

母「な、何ですって!?」

が、パパとママに会いたいって言ったら、あのおじさんたちが無理矢理実験するって言ったから、気が付いたらおじさんたち皆居なくなってて、たくさんの水槽に何人もが居て、そのたちが自分達を消してって言うから、研究所と一緒に壊したの。」

父「お前、あの施設を1人で壊したのか!? 科学者も殺したのか!?」

母「やっぱりそうだわ、この子は化け物なのよ! 何で、こんな化け物が私たちの娘なの!!」

「ママ!!」

母「ママなんて呼ばないで、汚らわしい!」

父「まぁ、落ち着きなさい。」

母「あなた!」

父「あの科学者達が皆居なくなって、研究所も無くなり、データも全て無くなったと言うなら好都合じゃないか。」

母「え?」

父「違う研究所にこの化け物を売りつければいい、今以上の価格と待遇を提示すれば相手側も嫌とは言えないだろう。今以上に贅沢な暮らしが出来るじゃないか。」


そこには、かつての父も母も居なかった。

この贅沢な待遇と次々と溢れ出る大金に溺れ、欲塗れになり、我が子を化け物と罵る様になってしまった。

もはや、自分の両親は居ないとは悟った。


父「それまでは、この化け物を飼っておこう。さっそく、他の研究者にアポイントを取って競売にかけようじゃないか。」

母「そうね。こんな化け物の使い道なんてそれしかないもの。誰か、その化け物を納屋にでも放り込んでおいて!」


自分を見下す両親。

の中で再び何かが崩れ去り、それと同時に風たちが耳元でささやいた。


『この2人はもはや、[#da=1#]を娘とも人間とも思っていない。』


と。

もそれに同意している。

同時に、この両親の裏切りを許せない気持ちが溢れてくる。


「……また、力を貸してくれる?」

母「何を言っているの、この化け物は?」

父「知らないよ。どうせ、この化け物に宿るっていう不思議な力だろう?」


許せない、許せない、許さない!!!

その気持ちが爆発すると同時に、は叫んだ。


「パパとママなんて大嫌い!!!」


瞬間、その場に暴風が吹き荒れ、屋敷は壁や屋根が吹き飛ぶ。


母「この屋敷を建てるのにどれくらいのお金がかかってると思ってるの!!! やめなさい!!」

「壊してやる、全部壊してやるんだから!!!」

父「け、警察を!!」

「全部、消えてなくなれ!!!!!」
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