第７話「痛ましき過去。」



沙織と黄金聖闘士たちは暗い空間に立っていた。


沙織「ここは？」

ムウ「我々が普段生活している次元とは明らかに違います。」

シャカ「どうやら、白竜の精神世界へ案内されたようです。」

シオン「そのようだな。だが、肝心の案内人は何処に居るのだ？」


見ると白竜の姿が何処にも無い。


沙織「白竜、どこにいるのですか？」

「ここに。」


すると、沙織たちの目の前に波紋が広がり、その中から白竜が現れた。

まるで、水中から出てきたように。


「ここは、僕の精神の中。人によっては魂という人も居るようですが、お好きなように解釈してください。」

沙織「ここが、貴方の魂？」

「ええ。先ほども言いましたが、あらゆる呪術において最高の媒介は血なんです。それがどうしてかわかりますか？」

沙織「貴方が言ったように、血と肉と骨はその人物のあらゆる出来事を記憶し、その力を秘めているから？」

「そうです。だから、高名な呪術師の血さえあれば、並以下の呪術師でも高度の呪術を使う事が可能と言われています。まぁ、使う術にも左右されますが。さて、前置きはここまでにしておきましょうか。これから皆さんに見ていただくのは、僕の遠い記憶です。」


白竜が手をかざすと、ボンヤリと景色が浮かび上がってきた。


「これが、『悲劇』の引き金です。」