数日後、星矢は人馬宮へ赴き、射手座の後継に推挙された事を知る。

そして、彼こそが射手座であるという証にアイオロスが射手座の黄金聖衣をパンドラボックスから出した。

幾度と無く自分の、アテナの危機に力を貸してくれた聖衣を前に、星矢の胸は高まった。

しかし、である。

射手座は星矢に纏われる事を拒んだのだ。

つまり、後継は星矢に非ずと射手座が意思表示したのだ。

その事態はすぐに１２宮に知れ渡り、またもや会議が行われた。


リア「星矢が次期射手座ではないとは…。」

ミロ「現代に、もはや射手座後継者はいないという事か？」

ムウ「星矢ほどの聖闘士でも射手座が己の主として認めないのですからね。」

シオン「…こうなれば、射手座の黄金聖衣に聞くしかあるまい。」

沙織「そうですね…。アイオロス、射手座を。」

ロス「御意。」


アイオロスは聖衣を脱ぎ、射手座の聖衣はオブジェ形に組み上がった。

沙織はニケを握り、射手座の上にかざした。


沙織『我が忠実なる聖闘士の証の１つ、射手座よ。我が声に答えよ。』


すると、射手座が淡く点滅する。


シオン「射手座が答えた…。」

沙織「射手座。アイオロス教皇即位の後、汝が主はこの世界にいますか？　有りならば１度、無しならば２度光りなさい。」


すると、射手座は１度点滅した。


サガ「では、次期射手座は誰なのだ？　星矢でもないとなれば、目ぼしい聖闘士はいたか？」

沙織「…射手座。その者が今も聖闘士であれば１度、否であれば２度光りなさい。」

シャカ「アテナ？」


すると、射手座は２度光った。


シュラ「何だと！？」

童虎「射手座の聖闘士は聖闘士ではないと申すのか！？」

シオン「信じられぬ…。黄金聖闘士でも比類なき強さを誇る射手座が、聖闘士ではないというのか！」

沙織「それが射手座の意思なのでしょう。射手座の意思であれば、アテナである私にも介入できません。」


すると、矢の先端から光が出てきて、壁に広がった。

そこには、ある紋章が映し出されていた。

それは五芳星の中に竜と書かれた紋章だった。


ロス「この紋章に関係する人物が、次代射手座というのか？　射手座よ。」


射手座の黄金聖衣は淡く１度輝いた。


沙織「日本に至急この画像を転送し、グラード財団の総力を上げて探します。」


紋章しかわからない以上、ここはグラード財団の情報収集能力に賭けるしかない。

長丁場になりそうだと思ったが、思ったよりもそれは早く解決する事となる。