第１話「新たな星。」



ハーデスとの聖戦から半年。

海界・冥界との和平も実現し、聖域にはようやく安らぎの時間が戻ってきた。

破壊された宮の修復、破損が酷い聖衣の修復、被害状況の把握等で時間が大分削られたが、ここに１つの大事が決まった。

現射手座アイオロスの教皇即位である。

サガの乱が無ければ彼が正統な教皇として即位する筈だったから、反対する者は誰１人としていなかった。

しばらくはシオンが教皇として内政、外政共に取り仕切っていたが、落ち着いてきた所でアイオロスの即位をアテナに進言したのだった。

アテナ沙織も大いに賛成し、黄金聖闘士たちも祝福を持ってアイオロスの教皇就任を祝った。

そして、アイオロスも教皇として全力を尽くすとアテナの前で誓いを立てた。

その後、問題として残るのは………射手座後継者。

教皇アイオロスの誕生は、射手座の空席を意味する。

今でこそ１２宮の守護者は埋まっているものの、いつまた不測の事態が起こるかわからない。

いざとなればアイオロスも射手座の聖衣を纏う事になろうが、それはよほどの事態で無い限りありえない。

そして、射手座後継者についての会議が、教皇宮・円卓の間にてアテナ同席の上で行われる事となった。