沙織「なんて、神々しいの…。」


沙織が思わず呟いた一言。

全てはそれに尽きる姿であった。

新たなる主を得た喜びに満ちた聖衣の輝きは、何と澄んでいる事か。

大きく羽ばたこうとしている射手座の翼の、何と雄大な事か。

そして、その聖衣を纏って凛々しく佇んでいる葵の、何と勇ましい事か。

その姿に誰もが言葉を失い、目を見開いてしまう。


ヒィィィン………－－－。


沙織「これは、黄金の杖が共鳴を…。」


沙織が手にしているニケの杖が淡く光り輝く。

それと同じ様に射手座の聖衣に付いている翼も光り輝く。

しかし、それだけではない。


カミュ「…これは…。」

ミロ「水瓶座の聖衣も、共鳴している…！？」

ロス「おそらくは、ニケに再び巡り会えた喜びを初代水瓶座が表しているのだろう…。」


ニケと深く愛し合いながらも、最後まで実を結ばなかった初代水瓶座の恋。

幾星霜の時を超え、初代水瓶座の魂はニケを宿す資格を有する射手座に巡り会えた。


ムウ「感じますよ。水瓶座の聖衣が…歓喜しているのを。」

シオン「葵が申したように、彼女はニケそのものではない。だが、それでもこの喜びよう…。本当に人と神の垣根を越え、愛し合っていたのだろうな…。」