？「初めまして、アオイさん。」


次に挨拶してくれたのは童虎に挨拶していた少年だ。


「君は？」

紫龍「はい、青銅聖闘士ドラゴンの紫龍と申します。天秤座の童虎は俺の師です。」

「童虎のお弟子さんなのね。」

紫龍「はい。老師からは常々お話を伺っております。俺も一度お会いしたいと思っていました、これからもよろしくお願いします。」

「…君は礼儀正しい少年ね。童虎の指導がとても行き届いている感じがする。星矢が跳ね回るイメージなら君は静かに佇むイメージがするわ。」


アオイの指摘は的を得ている。

初対面でそれだけ見通せる彼女の観察眼に、青銅たちは驚く。


「あ、童虎から聞いたんだけど…。」

紫龍「何でしょう？」

「中国に幼馴染の恋人が居るんでしょう？　今日は来ていないの？」

紫龍「なっ///！？」

カミュ「春麗の事か。彼女は中国に残っているのか、紫龍？」

紫龍「えっ、は、まぁ…///」

「初々しい反応ね。…その子はとても貴方が大切で、貴方も彼女が大切なのね。貴方の小宇宙の中に居る彼女は、貴方にとってまさに聖域。大事にしてあげるのよ、紫龍？」

紫龍（この人は、俺の中にある春麗の事まで完全に見通している！？　…話では小宇宙に目覚めたばかりだというのに、何と鋭い観察眼なのだ…。）

「紫龍？」

紫龍「い、いえ、少し考え事を…。もちろん、春麗の事は大事に守っていきます。」

「うん、いい心がけね。」


見抜かれているというのに、何故か不快感が無い。

いや、見抜かれているというより、見守られている感じもする。