しかし、氷河は警戒する事無くアオイを見つめた。

彼女からは剣士としての勇ましさよりも、美しさが勝る。

結い上げても腰の下まである豊かな蒼銀の髪、退魔の瞳と呼ばれる銀の瞳、美しい美貌と女性らしいスタイル。


「貴方の話もカミュからよく聞いているわ、氷河。自慢の弟子だといつも言っている。」

氷河「いえ、まだまだ修行中の身…。カミュの足元にも及びません。」

カミュ「そんな事は無い。お前は私の自慢の弟子、一人前の聖闘士だ。」

氷河「カミュ！」

カミュ「氷河！」


固く抱き合う２人に、アオイは少々引き気味になる。


デス「お～お～、やっぱ会う度にこれしねぇといけないらしいなぁ…。」

シュラ「全く…。老師と紫龍のように落ち着いて再会も出来んのか、こいつらは…。」


童虎を見ると、黒い長髪で童虎と同じような服装の少年が挨拶している。

とても落ち着きのある、礼儀正しそうな少年だ。

他にはアイオリアやアルデバランに元気よく話しかける少年。

その少年の横に控えめに立っている、少女と見間違えるような美しい少年も居た。


沙織「さぁ、みなさん。今日は食事もお酒もたくさん用意してありますからね。まずは、美味しいお料理で新年を祝いましょう！」

全員「「おぉ～！」」


そして、宴会場にはたくさんの料理、酒、ジュースが運ばれてきた。


沙織「皆さん、グラスは行き渡りまして？」


沙織がジュースの入ったグラスを持って掲げる。

他の者もそれに倣う。


沙織「では、今年１年もよろしくお願いしますね？　では、乾杯！」

全員「「乾杯～！」」


心地よい、グラスの音が響いた。