アオイが元の世界へ帰った時、門が開いたのは家の前だったという。

数ヶ月ぶりに戻ってきた娘の帰還に両親は喜び、兄弟も喜んだ。

しかし、アオイはそれほどでもなかった。

カミュと引き裂かれ、もう会えないと思っていたから。


「家族にね、この世界での話をしたの…。皆、何とも言えない表情をしていたよ。その内、母様は私を抱き寄せて言ってくれた。辛かったでしょうにって…。」


その言葉に、アオイは嗚咽を漏らして泣きじゃくったという。

しばらくは何をする気にもなれなかったが、やがて傭兵業に復帰した。

仕事の間には小宇宙の鍛錬を絶やさず、１人でも多くの人を護る事を目指した。

以前に増して人道的な派遣要請を受け入れ、戦って。

そして、その間に身の回りの整理を始める。


シオン「何故、身の回りの整理を？」

「いつかまた、この世界に来る時の為に。家族にも言ったわ、今度は戻ってこないって。」

童虎「家族は何と？」

「好きにすればいいって。私が幸せな道を選びなさいって…。でも、どの世界で生きても私達は家族なんだって、それだけを忘れるなって言われた。」


そして、とある魔物征伐に赴いた時、またもや時空転移の術を発動された。

それがサガとカノンの兄弟喧嘩とリンクし、この世界に再び舞い降りる事に。


「違ったのは、兄様と弟の騎士団と同行していた征伐だったのよ。」

ミロ「なら、君は２人の前で…？」

「うん。だから、完全に時空転移される前、２人は予測していたのね。身体には気をつけるんだぞって…。」


そこから先は、あの再会の時に繋がる。