瞬「すごい、これがアオイさんの小宇宙…。」

紫龍「何という、大らかな小宇宙なのだ…。」


アオイの小宇宙はこの場に居る沙織以外を圧倒した。

だが、それは攻撃的小宇宙ではなく、猛る心を癒してくれるような小宇宙だ。


「似ていないのは血気盛んなところかしら？　兄様は…紫龍のような性格だったから。」

紫龍「俺ですか？」

「えぇ。落ち着きがあって、思慮深く、物知りだったわ。」

星矢「弟は？」

「中身は星矢そっくりね。外見はそうねぇ…アイオリアをもう少し少年ぽくした感じかな？」

リア「俺か？　弟はいくつなんだ？」

「私より５つ下よ？」

シュラ「では、俺と同い年だな。２３だろう。」

「えぇ、そうね。」

アル「兄上と弟君は、騎士団に入ったのだろう？」

「そうよ。でも、２人は私が傭兵団の中に入って遠征に行くと、心配で付いてくる事が多々あってね…。私の周りにいる男達を睨み付けて追い払っていたわ。過保護というか何というか…；」


アオイの周りを一輝とアイオリアがガードし、近づこうとすれば睨み付けられる。

そりゃ、他の男は近寄らんだろうと満場一致で結論づけられた。


「２人とも結婚してるのに、奥方の方をもっと気にすればいいのにね？」

カミュ「何と、兄上と弟君は既婚者か？」

「そうよ？　もう、２人して大恋愛の末の結婚だったからね。家に遊びに行くと、あまりの熱々ぶりで半時間も滞在できないわ。家に戻ったら戻ったで、両親も未だに熱々だからね…；」

沙織「ですが、アオイさん。貴女が居なくなった時は大変な騒ぎになったのでは？」

「えぇ、それはもう…。」


アオイがドラゴンの時空転移に巻き込まれたと報告を受けた時、母はショックで気絶したらしい。

程なくして捜索隊を結成したが、見つかるわけもない。

世界を超えた転移をしていたのだから。