アオイの生まれたシュバリエティ家は、武門の家だった。

シュバリエティ家に産まれた者は、剣を持って武門の力を振るうのだ。

しかし、女子にそれは義務付けられていない。

女子は男子と違い、剣術よりも魔術の才能の方が大きいから。


「だから、シュバリエティ家に産まれた女の子は、魔術師として育っていく事が通例なの。」

沙織「でも、アオイさんはその通例に適しなかった…？」

「そう、私は魔術よりも剣術の才能の方が大きかったの。小さい頃から、女の子らしい物には全然興味が湧かなかったし。」

デス「女の小さい頃って言えば、人形とか服とか？」

「その通り。そういうのを見に行くなら、武器屋で武器を見ていた方が楽しかったから。」


実際、両親は悩んだらしい。

このまま剣術を教えるべきなのか、言い聞かせて魔術の道へ進ませるのか。

その結果、本人のやりたいように…という事になった。

そうすれば、好きな物に熱中して上達も早いと結論付けたのだ。

実際、彼女の剣術の上達スピードは目を見張るものがあった。

他の同年代の男子よりも、遥かに強く、名立たる騎士団からも噂を聞きつけて見に来る者も居たくらいに。


「そして、私が元服する年になると、いくつもの騎士団から声がかかってきた。」

リア「元服？」

童虎「こちらでいう、日本古来の風習じゃ。何でも、１４、５才で大人の仲間入りを果たす儀式をするとか…？」

「えぇ、男子も女子も元服式を行います。それを終えれば、大人としてみなされるのです。」

シオン「では、極端な話…結婚なども？」

「もちろん有り得ます。私の父と母も、１６か１７で結婚していますから。」

カノン「想像つかねぇ…；　１６か１７って事は、白銀聖闘士のほとんどが結婚してるようなものだろ？」

サガ「確かに、想像できんな…；」


聖域もある意味カルチャーショックな地域だが、それを上回るとは…。