真夏の夜の夢

男どもは複雑な心境だが、女性陣は思わぬ再会に皆喜んでいた。


パン「[#dn=1#]、久しいの!」

「パンドラ。この間、新書を届けに行った時以来だね。」

パン「男性ばかりと行くのが憂鬱だったが、お前やテティスが居たのなら楽しくなりそうだな。」

テテ「[#dn=1#]、もっと海底神殿にも顔を見せてくださらないと、私も寂しいですわ。」

「何を言うの。テティスこそ聖域に気軽においで?」


キャイキャイはしゃぐ女性陣を脇目で見て、神々は視線をあわせた。


神ズ『面白くなってきた。』


それをお互いの瞳が語っていたのは、誰も知らない。


沙織「そろそろチャーター機も到着します。搭乗用意を致しましょう。」


飛行機に乗ったら、今度こそ[#dn=1#]の傍にと意気込む野郎ども。

しかし、[#dn=1#]の周りは彼女との再会に喜ぶ女性陣に固められてしまった。

それもアテナの配慮と言う事で、女性陣の位置だけは最初から決められていた。

離陸すると、それでも[#dn=1#]と少しでも共に過ごそうと勇敢なる者たちは[#dn=1#]へ近づく。

しかし、いざ[#dn=1#]に声をかけると隣に座っている沙織が笑いながら殺気を醸し出していた。


沙織([#dn=1#]お姉さまに近づくなんて、身の程知らずもいいところですわねぇ?)


背後にアテナの聖衣完全装着の上、ニケ投げの体勢になっている沙織のオーラ。

一目見れば微笑んでいる沙織も、目が笑っていない。

その微笑には、海皇も冥王も思わず後ずさりするほどだった。

今見えているオーラもけして幻覚ではなく、今沙織のご機嫌を損なえば、本気でニケを投げつけられてしまう。

それを警告している沙織の小宇宙の見せる物だった。

ニケ投げは、ハーデスすら一度滅んだだけの威力を持っている。

まともに喰らえば、人間は粉微塵。

神はタルタロス行き間違い無しだろう。

人だって神だって、命は惜しい。

ここはおとなしくすべしと男性陣は野郎ばっかりのフライトを悲しく過ごしていた。
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