真夏の夜の夢

数時間後、何だかんだで楽しい雰囲気のまま一行は空港に到着した。

グラード財団トップの特権か、バスはそのまま空港の敷地内へ入り、特別待合室に通された。

中は豪奢な造りになっていて、グラード財団が世界のVIPであると知らしめるには充分なほどだった。


カノン「まるで、一流ホテルのスウィートルームだな;」

デス「さすが、金持ちの特権だこって。」


デスマスクは部屋にあった酒棚を物色する。


アフロ「デス、やめたまえ。すぐに飛行機もやってくる。」

沙織「飛行機にも色々取り揃えておりますから、今は我慢なさってね。私は待ち合わせている人を迎えに行きますので、それまではここで休んでいてくださいね。」

「待ち合わせ?」


沙織は意味深な微笑を残すと、そのまま待合室から出て行った。


「待ち合わせという事は、同行する者が居るという事か?」

ロス「だろうね。」

シオン「…何か、猛烈に嫌な予感がするのぅ;」

童虎「うむ…。」


数分後、沙織は待合室に帰ってきた。


「アテナ、待ち合わせていた方とは?」

沙織「えぇ。どうぞ、お入りになって。」


ドアが開かれた瞬間、聖闘士たちは絶叫した。


黄金「「あぁ~~~!!??」」

海皇「何をそんなに驚いておるのだ?」


最初に入ってきた団体はポセイドンと七将軍、テティス。


冥王「アテナ。そなた、聖闘士たちに我等が共に行く事、教えていなかったのか?」


次に入って来たのはハーデス、双子神、パンドラ、三巨頭、ラダマンティス親衛隊(シルフィード、ゴードン、クィーン)、バレンタイン、ファラオ、ルネ。


沙織「えぇ。秘密にしておいた方が何かと面白いでしょ?」

黄金(面白かねーよ!!)


黄金たちは心の中で大絶叫していた。

この聖域組だけならまだしも、冥界、海界が加わった事で、[#dn=1#]へお近づきになるチャンスが一段とダウンしたのだから。

彼らが[#dn=1#]に対して全然興味がないと言うならば、特に問題はない。

だが、それに反して興味津々どころか完璧に惚れ込んでいるのだから始末に終えなくなる。

それどころか、人間だけではなく神まで参戦。

事態は一気にバラ色南国ムードから、ドドメ色南国ムードへ格下げだ。
6/22ページ
スキ