★旅行１日目★



３日後。

白羊宮前には[#dn=1#]と黄金聖闘士たちが荷物を持って集まっていた。


「いい天気になってよかったな、お前たち！　って…；」


体力無限、精神頑強な黄金聖闘士たちは、みなくたびれて物陰に座り込んでいた。

酷い者は目の下にクマが出来ている。

サガなどは特に顕著に現れていた。


リア「あぁ、とても、いい天気だ…。」

ロス「そうだな…。燦燦と照る太陽が、とても憎たらしくなるな…。」


体力馬鹿の兄弟もこの始末。

まぁ、その辛さも[#dn=1#]にはよくわかる。

前世では自分も彼らのようにデスクワークも実践任務も経験した。

だが、ここまで無茶な強行軍はした事が無い。


「まぁ、現地には様々な施設もあるらしいから。そこでこの溜まりきった疲れを癒せばいい。」


そこに、グラード財団の観光バスが到着した。

よくよく見れば、バスの運ちゃんは辰巳だ。

沙織の秘書からバスの運転まで何でもこなす、まさにスーパーバトラー（執事）だ。

バスの扉が開くと、沙織が降りてくる。


沙織「皆さん、ごきげんよう。」


[#dn=1#]以外はごきげんよくない。

むしろ、これから溺れるほど眠りたいくらいだ。


「アテナ、わざわざのお出迎え恐れ入ります。」


沙織も黄金聖闘士たちだけに仕事を押し付けるような鬼女神ではない。

現世でのグラード財団総帥としての執務をそれはもう、光速の勢いで正確無比に片付け、ちゃんとここへ来たのだ。


沙織「お姉さま、お姉さまは先に乗っていてください。辰巳が席を教えてくれますわ。」

「そうですか？　では一足お先に…。」


[#dn=1#]はそのままバスに乗り込む。

沙織はへばり込んでいる黄金たちの元へ。


沙織「さて、黄金聖闘士の皆さんにはここで重大なお知らせがあります。」

シオン「何でしょう、アテナ？」

沙織「お姉さまについてです。」

童虎「[#dn=1#]についてですとな？」