真夏の夜の夢

シオン「なんですとっ!? い、今何と申されましたか、アテナ!?」


翌日、アテナの朝見の途中、彼女からとんでもない計画が言い渡された。

朝見に臨んでいたのは、教皇シオン、黄金聖闘士。

聖域最強を誇る、『最強の姫君』こと御剣[#dn=1#]である。


沙織「ですから、旅行へ行くのです。」

サガ「ですが、どこへ!?」

沙織「グラード財団が所有している南の島ですわ。ちょうど観光するにはもってこいの時期ですし?」

デス「かーっ、これだから金持ちの考える事は…。」

ムウ「デスマスク、言葉を慎みなさい。恐れながらアテナ、それに参加するメンバーは?」

沙織「私、シオン、黄金聖闘士全員。それと[#dn=1#]お姉さまですね。」

シュラ「その間の聖域の守りはどうなさるのですか?」

沙織「星矢たちに神聖衣を纏わせておけば大丈夫でしょう。」

シオン「ううむ、しかし…;」

沙織「もう、全ての手配は済んでおりますので。取り消しは無しですわよ?」


沙織はニコッと微笑んでみせたが、背後には大いなる黒小宇宙が漂っていた。

その意思を直訳すれば…。


沙織『ワレェ、なにをグダグダぬかしとんじゃあ!!!』


という事だろう。


「いいではないか、せっかくのアテナのご厚意。受けなくては無礼になろう?」

沙織「お姉さまは来て下さるのですね!?」

「アテナが参るのであれば、御供仕ります。」


その言葉に、その場に居る男どもは一斉に沙織へ向かい膝を付いた。


全員「「アテナの仰せのままに。」」

「だそうですよ、アテナ。」

沙織「よろしゅうございましたわ。では、旅行へ行く前に旅行期間の執務を完了させてくださいね。」

「アテナ、期間はいかほどになりましょう?」

沙織「3日後に出立いたします。予定では2泊3日になりますから…、最低でも3日分の執務を終えておいてください。」


その間に旅行の準備も整えなければならない。

黄金聖闘士たちは今から小宇宙全開で執務にあたらねばならなかった。

デスクワークだけではなく、実践任務もあるのだ。

こういう時に限って長期型のものが立込んでおり、実践組はゲンナリした表情で教皇の間を後にしていった。


(哀れなくらい不幸な奴らだな、あいつらも…。でもまぁ、私は先日の休暇に買った水着でも持っていこうかな?≪山羊座デート事情参照≫)


[#dn=1#]は今からルンルン気分で旅行用意の算段を付け始めていた。


~続く~
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