真夏の夜の夢

ようやく全て倒し、皆で[#dn=1#]の後を追う。


テテ「[#dn=1#]、大丈夫かしら。」

パン「うむ。早く見つけ出し、合流せねば;」

シオン「パンドラ嬢、テティス嬢。心配には及ばぬ。」

童虎「左様。心配するならば、この島が沈没せぬかどうかを心配なされい;」


この中で、最も[#dn=1#]と付き合いの長いご長寿たちの台詞に若い者は首をかしげる。


シュラ「島が沈没とは、どういう意味ですか? 老師。」

童虎「考えてみい。[#dn=1#]はああ見えてかなり好戦的な奴じゃ。今でこそ遠慮や手加減というものを知ったが、その必要が無い物がウヨウヨと目の前におるのだ。それは何を示す? シュラ。」

シュラ「それはもう、全力を持って暴れるという事で…、!!!」

シオン「気付きおったか。[#dn=1#]が全力で戦ってみろ、仮想現実的な怪物どもどころか、この島自体が聖剣で塵となるわ。」


その場面を想像する全員、一気に顔色が青くなった。

彼女ならば大げさでもなくそれができる。

早く彼女を止めなければ、自分たちが塵になってしまう。

[#dn=1#]の小宇宙を走査すると、少し奥の方から喜びと興奮に満ちた小宇宙が漂ってくる。


クィ「…楽しんでるな、心底;」

ゴー「あぁ。これを止めるとなると、相当な覚悟が必要だぞ?」

シル「そうだよな。楽しんでいる所を邪魔なんてしたら、島が沈没する前に冥界送りだ。」

冥王「冥闘士が冥界送りを恐れて何とするか。」

海皇「それはおいといて。[#dn=1#]と合流するのが先決ぞ、ハーデス。」

冥王「うむ。何が飛んでくるやも知れん。我らが小宇宙で結界を張るゆえ、その中から出るでないぞ? タナトス、ヒュプノス、手伝え。」

双子「「御意。」」


結界に包まれた状態で、[#dn=1#]のいる方向へ向かう。

近づくにつれ、[#dn=1#]の楽しげな感情が小宇宙を通じてダイレクトに伝わってくる。

まるで、『ストレス発散中、邪魔すべからず』といわんばかりに。


沙織「お姉さま、よほど聖域の中で全力を出せずにストレスを溜めてらしたんだわ。黄金聖闘士のみなさんには、それがお相手できるようにもっと強くなってもらわねばいけませんね。」

黄金ズ「「不可能です!」」


即答する黄金たち。

しかし、他界の闘士たちはそれを腰抜けだの何だのと言うつもりは無かった。

大使として赴いてきた際、彼女に指南してもらっているのは自分たちも一緒だ。

結論から言えば、彼女1人居れば三界の闘士全員の戦力に値するくらい化け物級に強い。

いっそ、神として祀られるべきではないだろうか。
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