星矢「うっ…。」

サガ「気がついたか、星矢！？」

星矢「サガ、俺たちは一体…？」

サガ「葵のクレイモアをまともに喰らったのだ。あれから３日間も眠り続けていたのだぞ？」


周りを見ると、他の４人もベッドの上でまだ眠っている。

それぞれ、師や馴染みの黄金たちが看病していた。


星矢「アテナ、沙織さんは…？」

サガ「我らが小宇宙のバリアでお守りして、お怪我も無い。」

星矢「そっか…。」

「何だ、生きていたか？」


治療部屋に葵が入ってきた。


サガ「葵、そんな言い方は無いだろう？」

「これでも褒め言葉だ、聞き流せ。」


葵は星矢の枕元に立つ。


「お前がアテナが最も信頼しているという、天馬星座の星矢だな？」

星矢「あ、あぁ…。」

「合格だ、お前ら５人とも。」

星矢「え？」

「傷が癒えたら、私が直々にお前ら５人へ稽古をつけてやる。期間が短いゆえ、現代黄金が受けている『優しい長期レッスン』ではなく、『地獄の短期集中レッスン』だがな？　終われば、今よりも更に強くなっている事請け合いだ。」

サガ「葵？」

「私が教えるのは、殺しても死なないようなヤツら限定だ。ある程度ついてこれなければ、死あるのみだからな。では、精々養生しておけ？」


葵はそれだけ言うと、治療部屋から出て行った。


星矢「つまり、あれは葵に稽古をつけてもらう資格があるかどうかの、試験だったって訳か？」

サガ「フッ、葵らしい。お前たちは見所があると思われたみたいだな。」


自分たちが後継と目していた存在が、彼女にも認められたのだと思うとサガも嬉しい。


一輝「フッ、あんな女聖闘士もいたのだな。」

瞬「本当だね。とても強い人だよ。」

紫龍「是非、聖剣について教えを乞いたいものだ。」

氷河「俺たちの目標が、また１つ増えたな。」


こうして少年たちは新たなる高みを見つけ、その高み目指して動き出した。

星矢たちがこの後、飛躍的に成長したのはいうまでも無い―――。


ＥＮＤ

2024年7月20日加筆修正