「どっからでもかかってきな！」


しかし、青銅たちは戸惑うばかり。


「どうした、どうした？　何突っ立ってる！」

氷河「仮にも女性、ましてや聖衣を纏ってもいない者に拳を向けるなんて…。俺はそんな非道な事に使う拳を師から教わってはおりません！」

「師？　誰だ。」

氷河「水瓶座のカミュです。」

「という事は、お前は凍気を使う青銅…、白鳥座の氷河？」

氷河「俺の事を知っているのですか？」

「あぁ、カミュが良く聞かせてくれる。どうやら、カミュの一方的な弟子バカだと思っていたが、そうでもないらしいな。」


そうだとも。

弟子バカどころか、師匠バカもここに居たのだ。

どうやら、水瓶座と白鳥座は人が変わっても中身は一緒のようだ。

自分の現役時代の２人を思い出す。


（あいつらも男同士で気色悪いくらいに弟子バカ、師匠バカだったからなぁ…；）


すると、青銅長兄の鳳凰座の一輝が前に出た。


一輝「昨日の出来事は俺たちも見たが、にわかに信じがたい。黄金たちが手加減したのではないのか？」

「…どういうことだ？」

一輝「彼らとて聖闘士最高峰の黄金聖闘士。本気を出せば、聖衣も持たぬ女など瞬殺出来るだろう。フェミニストも多いし、ワザと手を抜いているかも知れんぞ？」


その発言に、葵の額にいかにも不機嫌ですと言わんばかりに青筋が立つ。


「つまり、私が勝てるのは、まぐれ以外の何ものでもないと？」

一輝「だからそう言っている。さっさと黄金たちと代われ。聖衣も持たぬ丸腰の女なぞ俺たちの相手にはならん。」