葵は汚れた服をパンパンと払い、どこかへ向かおうとしていた。


ロス「何処へ行くんだ。」

「今日の訓練はここまでにする。これから冥界へ行かねばならん。」

シオン「それならば、まだ時間があろう。」

「まぁ、ちょっとな。」


おかしいという感覚は確信に変わる。

葵が冥界や海界へ行くのには時間などかからない。

何故なら、ハーデスとポセイドンに特殊な道具を授かり、一瞬で各界へテレポートできるからだ。

だからこそ、出かける数分前までは黄金たちにこれでもかと稽古をつけて、ケチョンケチョンにのしてから心地よく旅立つのだが。


童虎「葵、おぬし様子がおかしいぞ。」

「は？」

シオン「稽古にも身が入っておらんようだし、体調でも悪いのか？　寝不足だけとは到底思えぬ。」

「大丈夫って言ってるだろう。」

デス「…そうか！　そういうわけか！」

シュラ「何だ、デス？　心当たりでも有ったか。」

デス「葵、すまねぇな。こんな男所帯だから、そういう事にはとんと疎い朴念仁ばかりでよ；」

「は？」

デス「そうだな、１週間は休んだ方がいいだろうぜ。」

「おい、デス。いったい何の話なんだ？」


デスマスクは自信満々で葵を見た。


デス「あれだろ？　生理だろ。」

「∑なっ///！」

男ズ「「∑///！！？」」


デスマスクはどうだ俺の洞察眼はと言いたげに葵の両肩に手を乗せる。


デス「毎月のお勤め、ご苦労さん！」


しかし、葵の背後からはゴゴゴゴゴと小宇宙が燃え上がっていた。


「…いっぺん死ね！　この、セクハラ蟹！！」

『エクスカリバー！！！！！（地獄への超特急便バージョン）』

デス「俺、もう２度も死んでるッピ～～～！！！！」


訳のわからん解説を残し、哀れデスマスクはコロッセオにめり込んでしまう。


「今月はもう終わっている！　シオン、あの蟹、スニオンに簀巻きにして吊るして置け！！！」


そう言い残し、葵はその場を去った。