皆が駆け寄り、それぞれに安堵の声を上げる。

葵の精神に潜った連中も、後ろからやってきてそれを見守っていた。

しかし、安堵と同時にベッドに詰め掛けて抱擁するやら、しがみ付くやらで。


「ぐ、ぐるじい…！　お、重い……！」


美丈夫たちが集団で抱擁してくれるなんて、普通の女子であればいくらでもカモーンという感じだが、葵はあらゆる意味で普通じゃない。


「いい加減に、どかんかぁ～～～！！！」

『エクスカリバー！！（元気ハツラツ復活バージョン）』

全員「「うわぁああああ！！！！」」


黄金たちは皆もれなく吹っ飛び、お約束の顔面から床にキスをかました。


「お前ら全員でのしかかってきたら、圧死するわ！」


いや、殺しても死なないだろう、むしろ返り討ち間違いなしだ。


「ふむ、だいぶ調子もいいな。よしっ、今から修行だ！　皆聖衣装着の上でいつものコロッセオに集合だ！！」


葵はそう言うと颯爽と表に出て行った。

残された面々は、葵のあまりに早すぎる回復に唖然としていた。

しかし、どうやら元の葵に戻ったということで黄金たちはコロッセオに向かうのであった。


沙織「どうやら、カオス様が上手くやってくださったようですね。」

冥王「我らだけでは、何もできなかっただろうな。改めてあのお方の偉大さを思い知ったぞ。」

海皇「我らもそろそろ戻ろうか。」

沙織「お待ちになって？　先だって申し上げましたが、快気祝いの宴席を設けようと思うのです。どうぞ、このままご滞在くださいな。」


ハーデスとポセイドンは顔を見合わせたが、ニコリと笑うと沙織の申し出を快く受け入れた。

そのためにも一時己の世界へ戻り、支度を整えて訪問すると言い残し、２人は帰っていった。

今夜は大宴会になる事を大いに予想して。