最終話「帰るべき場所へ。」



沙織の手引きにより、シオンたちは葵の記憶の最深部に到着した。

今までとは違い、だだっ広い空間があるだけ。

と、思いきや。

空間の中心部に、何やら人影が。

用心して近づくと、その人影はこちらへ振り向いた。


デス「ヒュ～♪」

カノン「これはまた///」

ムウ「何と可憐な///」

シュラ「………///」


それは見目麗しい美少女だった。

後５年もすれば、世の男性を虜にしそうなくらいの美貌を持っている。

しかし、である。


ムウ「何処かで見た事があるような気がするのですが。」

カノン「ジャミールでか。」

ムウ「あんな人気の無い物騒な場所に、こんな少女が来る訳無いでしょう。」

デス「骸骨ゴロゴロしてるしな。でも、俺もどっかで見た事あるような気がするんだけどなぁ。」

シュラ「デスの戯言は置いといて、ムウにも見覚えがあるとなれば、俺の気のせいでもないというわけか。」

デス「お前、何気に酷くねぇか。」

カノン「日頃の行いのせいだろう？　だが、俺にも見覚えがあるんだ。」


４人が頭に「？」を浮かべながらその少女を見ていたが、シオンが黙りこくっているのでムウが彼の顔を覗き込んだ。


ムウ「我が師シオン、如何しましたか？　∑ど、どうしました！」


シオンは全身から汗をダラダラかいていた。

表情も固まっている。


シュラ「教皇、しっかりしてください！！」

デス「どうしたんだよ、一体！」

シオン「………じゃ。」

カノン「え？」

ムウ「今、何と仰いましたか。」

シオン「葵、じゃ。」

「「ハァ？」」

シオン「あれは、幼き頃の葵なのじゃ！！」

「「∑何ですと～～～！？」」


その叫び声には、小宇宙が最大限にこめられていた…。