そこから、再び過去を遡る映像が浮かぶ。

先代黄金たちとの日々の鍛錬、戦いの日々、ささやかな休息、アテナが姉と慕ってくれた優しい思い出、全てが眩しい日々だった。

その思い出を見て、次々と開かれていく回廊を奥へと進む。

すると、回廊の行く手を阻むように大きな壁が行く手を阻んでいた。


ムウ「これは一体、何なのでしょうか。」

デス「行く手を阻む壁だろ？　さっさと砕いて進もうぜ。」

シオン「はやるな、デスマスク。ここは葵の精神世界。下手に何かを傷つければ葵の精神そのものを傷つける事となる。」

カノン「ここは、アテナにご意見を仰いだ方が得策だろう。」

シオン「うむ。アテナ、聞こえますか。アテナ！」


しかし、先ほどまで通信可能だった沙織の声は全く聞こえない。

それどころか、今までそばに感じられた沙織の小宇宙が感じられなくなっていたのだ。


シュラ「これは一体、どうした事だ。」

ムウ「壁を砕くわけにもいかない、アテナにも意見を仰げない、引き下がるわけにもいかない。」

デス「八方塞だな、文字通りに。」

シオン「外で、何か起こっているかもしれん。しばらく、待機するしかあるまい。」

カノン「承知しました。」


こうして５人はアテナと通信可能になるまで、その場で待機をする以外なくなった。

その頃、外ではとんでもない事が起きていたなど、彼らに知る術は無い－－－。


～続く～