第４話「記憶の底へ。」



アテナたちの力を借り、葵の精神へ潜る事に成功したシオン、ムウ、カノン、デスマスク、シュラ。

何も無い空間を見渡すが、手がかりとなるような物は何も無かった。


シオン「ここは一体。」

ムウ「葵の精神には間違いないみたいですが…。」


すると、目の前に巨大なスクリーンのようなものが現れた。


デス「何だ、こりゃ！」

カノン「スクリーンか。」

シュラ「何か、浮かんできたぞ。」


すると、それは聖域の風景だった。


『これ以上、アテナや皆に心配をかけるわけにもいかないが…。』


響くのは葵の声。


シュラ「これは、まさか葵の記憶か！」


すると、視界が変わった。

葵の表情が良く見えるような位置から、彼女を見ている感じに。


シオン「私たちは葵の記憶を見ているらしいな。」

ムウ「そのようですね。おそらく、これは葵に残る最後の記憶。気を失う直前でしょう。」


記憶というのは、その人の感情までわかってしまうらしく、葵の心の声までもが手にとるように伝わってきた。


『何とかして、早く体調を…戻さなくては……。』


そこで、葵の記憶は途切れた。


シオン「おそらく、葵の最も新しい記憶だろう。シュラが見つける少し前のようだ。」

デス「さて、これからどうしましょうかね。」


その時、どこからともなく声が聞こえてきた。


沙織「皆さん、無事にお姉さまの精神に潜り込めましたね。」

カノン「アテナ！」

沙織「今、皆さんが居るのはお姉さまの中でも新しい方の記憶。そこから最も古い記憶が眠る所へ向かってください。道は開けているはずです。」


先ほどまでスクリーンがあった場所には、前へ進む道らしきものができていた。


沙織「それは記憶の回廊。辿る内により古い記憶の元へと連れて行ってくれるはずです。」

シュラ「その最深部に、葵の精神が留まっているのですね。」

沙織「そうです。頼みましたよ、皆さん。」