沙織「シオン、皆さん。」


静まり返っている執務室に沙織が現れた。


全員「「アテナ！」」

沙織「皆さんにお話があります。お姉さまに異変が起きました。」

シュラ「アテナ、葵に何があったのですか！」

童虎「シュラ、控えよ！」

沙織「よいのです、童虎。先ほどから、お姉さまの体から小宇宙が放出されています。」

サガ「それは、一体。」

沙織「ある一定の量の小宇宙が、お姉さまから放出され続けているのです。それがどういう意味か、お分かりですか。」


わからいでか、小宇宙は命の源。

それが一定量でも体から放出され続けているという事は、そのうち小宇宙が尽きてしまうという事。

それすなわち、最悪の事態を招く事になる。

今の葵は、命のエネルギーを垂れ流しにしている状態なのだ。

その意味を正しく受け取った黄金たちの表情は、一気に絶望の表情へと変わっていった。


沙織「今、ハーデスとポセイドンがお姉さまの体をカバーしつつ、もたせてはいるのですが…。」


いずれ、限界がくる。

沙織もまた、居たたまれない表情をしている。

神であるのに、目の前で苦しんでいる命を救う事ができない。

これほど、自分の無力さを突きつけられる出来事は無い。

そこに、葵の治療にあたっているはずのハーデスが姿を現した。


冥王「アテナ、話がある。ついてまいれ。」

沙織「わかりました。」


２人は執務室から出て行った。