実は葵、現代黄金からはかなりモテているのだ。

聖闘士として正義感が強く、女子供には限りなく優しく、その姿は凛々しく美しい。

いつしか、この１２宮の住人たちは漏れなく葵に淡い想いを抱いていた。

しかし、アプローチをかけても全然気付きもしやがらないので性質が悪い。

おまけに、他人のそういうのにはかなり敏感という最悪の性質なのだ。

まぁ、面と向かって愛を囁いた所で、


「頭が湧いたか。」

「自分より弱い男はお断りだ。」

「マゾか、お前。」


と言われるのが関の山であろう。

だからこそ、皆が長期戦覚悟なのだ。


童虎「葵とて聖域には必要不可欠な存在。我らと同じくらい重要な存在であるのに、彼女に万が一の事あっても痛くも痒くもないというように聞こえますぞ、アテナ！」

シオン「例え、元最強の黄金聖闘士とはいえ、１人で逝かせるなど危険極まりないですぞ！」

ムウ「我が師シオン、逝くでは無くて、行くでは；」

サガ「それに海界ならば我が愚弟で間に合いましょう！」

カノン「誰が愚弟だ、二重人格。」

シュラ「恐れながら、私も未だ葵に山羊座として教えを受けております。彼女に万が一の事あらば、山羊座にとって大きな痛手となります。」


皆、似たり寄ったりな事を言い、反対を唱える。

だが、沙織にはその反対意見の裏側もバッチリ見えていた。


沙織（これ以上、葵お姉様を巡るライバルを増やしたくないとは言え、ここまで反対するとは…。これに気付かないお姉様がいっそ罪深いように思えてきますわねｖ）