「情けない。これが聖闘士最高峰の黄金か？　なんと弱体化したことか。嘆かわしい。」


葵の台詞にぐうの音も出ない。

この人数で、あれだけ手合いをして、それでも彼女から１本も取れていないのは黄金にとって大きなショックでもある。

相手がいかに人外魔鏡で、最強にして最恐。

聖域の歩く最強伝説であっても。


？「なかなか手厳しい指導ですね、葵お姉様。」

全員「「アテナ！」」


予定されていなかった沙織の訪問に驚き、全員がその場で膝を付く。


沙織「私たちも執務が一段落つきましたので、見学に参りました。」

シオン「相当もまれとるのぅ、お前たち。」


教皇のシオンも沙織の後ろから現れた。

そのシオンに向かって、葵が問う。


「シオン、現代黄金に黄金聖闘士の位と黄金聖衣を授けたのはお前だな？」

シオン「いかにも。」

「お前の目は節穴か？　それとも老眼か？　こいつらの実力で黄金を継がせるとは片腹痛すぎるわ！！」


ズバッと一刀両断な御意見に、現代黄金たちはエクスカリバーでズタズタにされるより痛い思いだった。


シオン「しかし、こやつらは黄金を継いだと言っても期間が短い。我らが黄金を継いで聖戦までより圧倒的に短いのだ。」

「だとしても、稽古を始めてから今日まで、誰１人として私から１本取れておらん。これでは先代どもが嘆いて、そのうち化けて出てくるぞ？」

デス「アンタもそのうちの１人だろ？」

「お前が最弱であろうが、この貧弱蟹。」


葵の手厳しい言い方に、沙織も苦笑いだ。


沙織「お姉様にお話があって参りましたの。よろしければ、ここに居る全員にも意見を仰ぎたいのですが。」

「承知いたしました。ならば、今日の稽古はアテナに免じてここまでと致しましょう。」

沙織「では、教皇の間で皆さんをお待ちいたしますわね。」