「海界もそこまで復興が進んでいれば、テティスが近々、聖域に遊びに来る事も出来るだろうね。」

テテ「そうですね。ポセイドン様のお許しさえあれば、ぜひとも。」

「その時は、アテナや女性聖闘士、みんなで男どもが居ては話せない話題とか話し合えたらいいね。その時は、皆で同じ部屋に寝泊りしようか？」

テテ「まぁ、楽しそう！」


女同士の会話が進む中、葵は小宇宙を感じた。


「誰か来るみたいだ。」

テテ「まぁ、どなたでしょう？　七将軍様でしょうか？」

「いや、この小宇宙は海闘士ではない。聖闘士だ。」


南氷洋の柱へ繋がる通路を見つめると、黄金の鎧が見えた。


カー「葵、ここに居たのか。」

「シュラ！？　お前、何故ここにいるんだ？」

カー「何、アテナからのお達しでな。ポセイドン神への急な書状をお届けにあがったまでの事。海界に留まっているカノンやお前の顔も見てこいとの事なので、な。」

「そうだったのか。」


ちなみに葵は、カーサがシュラに化けている事に微塵も気付いていない。

その小宇宙までシュラに似せてしまうという、まさに完璧な模写技能だ。


「聖域はどうだ？　皆、ちゃんと修行しているか？」

カー「あぁ。お前が帰ってきて、サボっていた事がバレてみろ。考えただけでも皆、修行に精を出す。」

「蟹あたりがサボってはいないか？」

カー「サボれば連帯責任だろう？　サボろうとしても首根っこ掴んでコロッセオに連行だ。」


葵の技が発動したら巻き添えを喰らう確率が大きい。

巻き添えを喰らわない為にも、皆必死なのだ。


「では、シュラ。この数日でお前がどれくらい腕を上げたか実地で見てやるよ。」

カー「何？」

「テティス。君は巻き添えを喰らわないように離れていた方が良い。」

テテ「え、えぇ；」


葵は既にやる気満々で、小宇宙が段々と高まっている。


カー『おいっ、どーすんだ！？　このままじゃバレちまうぞ！？』

カノン『安心しろ、骨は拾ってやる。思う存分、戦え。』

カー『戦えるかよ！！！』


そんな小宇宙通信にも気付かず、葵は手刀をかまえた。


「手合いとはいえ、戦場で気を抜くとは言語道断！　喰らえ、伝家の宝刀！」

カー「ちょ、ちょっと待てぇ！？」

『聖剣乱舞！！！』

カー「ギャ～ス！！！」