「お前の命が失われたところで、事は何も解決せぬ！！　更に海界との関係をこじれさせる気か！！」


葵はカノンの首根っこを掴んだ。


カノン「ぐっ…！」

「カノンの尻拭いくらい、本人にやらせろ。カノンも前非を悔いているのなら海闘士に殺される事くらい覚悟して当然だ。お前は先の聖戦の折、死を覚悟してミロのスカーレットニードルを受けきったのではなかったのか？　その心意気は聖域限定か？　ここで覚悟を見せねばお前は一生腑抜け扱いぞ！？」


葵の言葉にはトコトン容赦がなかった。

言葉の１つ１つがカノンの胸をえぐる様だった。


「それにカノン。お前は大事な事を１つ忘れているぞ。」

カノン「え…？」

「お前は私の同行者だ。…安心しておけ、お前が本当に殺されそうになれば、私が…。」

サガ「そうか、葵が一緒に行くとなれば、いざという時！」

「介錯してやる。」

サガ「とどめを刺すのかぁあああ！？（滝涙）」

「まぁ、それは冗談としてだ。いつまでも過去の事をネチネチ言うような腑抜けが海闘士にいたら、私が仕置きをくれてやるから安心しろ。現代に揃った双子座の１星、失わせたりしない。」


ニヤリと笑う葵の表情には、何が何でもカノンを無事に聖域へ連れ帰るという意志が感じられた。

それを見たカノンとサガは、とうとう折れた。