２人の様子に驚く周囲。


ハー「何事か、ヒュプノス、タナトス。大使に無礼であろう。」

タナ「ヒュプノス、あの女！！」

ヒュ「うむ、間違いない…。」

パン「どうなされましたか、タナトス様、ヒュプノス様！？」

ハー「２人とも、話せ。大使殿が如何したのだ。」


タナトスがワナワナと震えながらハーデスに進言する。


タナ「この娘は女官ではありませぬぞ、ハーデス様！　この娘、黄金聖闘士です！！」

ハー「何？」

ヒュ「先代アテナとの聖戦の折、ハーデス様に加勢へ参ろうとした我ら２人を同時に相手し、相討ちに持ち込んだのはこの娘です！！」


その言葉に葵が反応した。


「覚えておいででしたか、双子神殿。既に二百年以上前の話、とうに忘れておいでかと存じておりましたが。」

タナ「おのれ、ヌケヌケと！　長き年月を生きてきた我らの中で、あれほど屈辱に塗れた敗北があろうか！　今、その首刎ねてアテナにつき返してくれる！！」

ヒュ「覚悟は良いか、山羊座！」

ハー「控えよ。タナトス、ヒュプノス！！」


ハーデスの叱責が謁見の間に響く。


双子「「も、申し訳ございません…。」」

ハー「考えてもみよ。そなたらと相打ちになった者が生きておるはずがあるまい。恐らくその女、先代山羊座の転生…。葵よ、そうであろう？」

「御意。私は御剣葵であり、先代山羊座の葵でもあります。両方の記憶を持ち、力を持つ者…。既に前世での因縁は捨てておりますれば。」

ハー「真か？」

「そうでなければ、今頃復活した１０８の魔星はことごとく我が聖剣エクスカリバーの露となっておりましょう？」

ハー「クククッ、違いない。恐らく、先ほどのトロメアやアンティノーラでの小宇宙の高まり。そなたであろう？」

「はっ。」

ハー「アテナもやってくれる。さすがは我が姪よ！　よい、葵とやら余はそなたが気に入った！　これからも聖域と冥界との橋渡し、頼りにしておるぞ？」

「過分なお言葉、肝に銘じます。が、双子神様たちは納得しておりますまい？」

双子「「当然だ。」」


となれば、どうなるか…。