警戒を怠る事無く、それでも名乗りを上げる。


「ラダマンティス殿、貴方は部下に恵まれているな。これだけ尽くしてくれるという事は、貴方も上司として優秀なのだろう。」

ラダ「そうか？」

「自他共に厳しく、それでも気配りも忘れない。違うかな、皆さん？」


部下たちに尋ねる。


バレ「いえ、大使殿の仰るとおりにございます。ラダマンティス様の直属になれた事、我らにとって至上の喜び…。」

ミュ「ラダマンティス様の仰せとあらば、死をも受け入れましょう。」


他の冥闘士たちも口々にラダマンティスが上司でよかったと口にする。

ラダマンティスは鼻でフンと言っているが、それが照れ隠しだというのは皆が知っている事だ。

もちろん、ラダマンティスと出会ったばかりの葵にもそれが良くわかる。


アイ「いいよなぁ、ラダマンティスのところは部下に恵まれててさぁ…。」

ミノ「おやおや、アイアコスのところにも優秀な部下が揃っているでしょう？」

アイ「だってさ、俺が執務に行くと山のように仕事もって来るんだぜ？　そんくらい、やっといて欲しいと思わないか？」

ラダ「言語道断だ。職務怠慢もほどほどにしておけ。」

ミノ「三巨頭のプライドもヘチマもありませんねぇ。」


何かこう、聖域に毛色の似た連中がいる気がする；

アイアコスがミロあたりで、ミーノスがムウ、ラダマンティスがサガの位置。

…ラダマンティス、胃に穴が開くくらい気苦労が多そうだ；；；（同情）

アイアコス、きっとラダマンティスにいつもお説教されてるんだろうなぁ。（含笑）

ミーノス、コイツは怒らせちゃいかん！！！（力説）


アイ「大使殿。」

「何でしょう？」

アイ「大使殿は聖闘士なのか？」

「元聖闘士です。前山羊座の転生でして。」

アイ「腕に覚えは？」

「ありますよｖ」

アイ「よしっ、腕試ししよう！！」

ラダ「馬鹿か、お前は！！　大使殿と事を構えるなど、和平をぶち壊す気か！？」

「その誘いのった！！　アイアコス！！」

ラダ「大使殿ぉっ！！！」

ミノ「まぁまぁ、ラダマンティス。楽しそうじゃありませんか。」

ラダ「ミーノス！！！」


かくして、前山羊座にして聖域最強の姫君、葵。

冥界三巨頭、天雄星ガルーダのアイアコス。

２人の果し合いがコキュートスで行われようとしている。

ラダマンティスの胃に穴が開く前に、決着がつくのか！！

待て、次回！！


～続く～