第八獄、コキュートス。

そこには三巨頭に与えられた館があった。

各々の魔星のシンボルが館の表に飾られている。

ミーノスの館は玄関で向き合うようにグリフォン像が置かれていて、なかなか立派なものだった。


兵「お帰りなさいませ、ミーノス様。」


館に仕える兵が出迎えた。


ミノ「後ほど、ラダマンティスやアイアコスもこちらに来るでしょう。その時は客間の方へお通しするように。」

兵「はっ。」

ミノ「私とこの可愛らしい大使様も客間へ向かいます。この間、手に入ったシロルの茶葉で美味しいお茶を用意してください。お茶菓子も忘れずに。」

兵「承りました。」

ミノ「では、大使様。参りましょう。」

「は、はい…。」


長い廊下を歩き、客間へ入る。

窓からは氷の大地が延々と見えた。


ミノ「さて。大使様、そろそろ腹の内を明かしてくれませんか？」

「腹の内…ですか？」

ミノ「先ほどお手を拝借しましたが、ただの女官の手ではありませんね。」

「え？」

ミノ「どちらかといえば、女官よりも体を酷使する立場の方でしょう？　手のアチコチに肉刺の潰れた痕がたくさんありましたよ？」


不、不覚！

冥衣の上からならわかるまいと思っていたけど、コイツ抜け目無いじゃないか！

その辺もムウと同じくらい腹黒だな；


ミノ「さぁ、ネタは上がりましたよ？　貴女、女官ではありませんね？」


ネタってアンタ；；；

でもまぁ、シラをきるのは難しそうだな。

元々、頭使うより体で示す方が得意だし。