デス「マジかよ～；　俺はゴメンだぜ、面倒くさい！」

「お前が一番鍛えてやる必要があるね。実力然り、その性格然り。せめて、サガやアイオリアレベルまで性格を矯正せねば。」

デス「それは最早、俺であって俺じゃねぇ！！」

シュラ：「いい機会じゃないか。じっくり鍛えてもらえ、蟹」

「シュラ。お前にも教えたい事が山のようにあるぞ？　フランベルク、クレイモア、この２つをお前に伝授しよう。心しておけ。」

シュラ「楽しみです、葵。しかし、クレイモアは如何なる技ですか？」

シオン「シュラ、聞かぬが花ぞ。葵の開発した技じゃからの。」

童虎「左様。人殺しどころか、神殺しの技じゃ。危険極まりない技に決まっておろう。」


葵は閃いたぞという顔でシュラを見た。


「見せてやる。ちょうどそこに、実験台が２人いることだしな。」

シュラ「？」

シオン「そ、それはまさか。」

童虎「わしらの事か！？」

「現代黄金を鍛える前に殺してどうする。後釜がハッキリしているお前らなら遠慮なく仕掛けられる。」

シオン「余、余は教皇ぞ！？」

「後継は指名してあるんだろう？」

ロス「私が一応…。」

「ならばよし！」


シオンは逃げるが勝ちとばかりに逃走する。


童虎「わ、わしは天秤座の後継がおらんぞ！？」

「それは困りものだな。天秤座は聖闘士の善悪を図る重要なお役目がある。」

ムウ「それならば、老師の弟子である紫龍が適任と存じます。」

「童虎に弟子がいたのか？」

シュラ「はい。その善悪定める眼には一点の曇りもありません。」

「童虎、よかったな。」


振り返ると童虎の姿も既に無い。


「相変わらず逃げ足だけは速い奴らだな。シュラ、ついてこい。早速見せてやるよ。」

シュラ「は、はぁ…；」

ミロ「せっかくですから、俺たちもご一緒していいですか？」

「あぁ、来い来い。あの２人がボロ雑巾になる所なんて、お前たちでは見た事もあるまい？　後々の語り草になるぞ。」


葵は現代黄金たちを連れて教皇宮を後にした。

直後、１２宮中の空気が震えるほどの小宇宙が放たれ、シオンと童虎の叫び声と共に彼ら２人の小宇宙が急激に小さくなっていった。

葵のクレイモアを見た瞬間、現代黄金たちはその実験台となったシオンと童虎を見て、葵の最強さを再確認できたという。

そして、今日も。

聖域のどこかで《最強の姫君》というふたつ名を冠した元聖闘士が、現代黄金たちを鍛えているという。

そのおかげをもって、現代黄金たちが飛躍的に実力を上げたというが、それはまた別の話である。


ＥＮＤ

2024年7月15日加筆修正