そこに、教皇宮付きの女官が入ってくる。


女官「葵様が沐浴をお済ませになり、こちらへ参るとの事です。」

沙織「わかりました。到着次第、こちらへお通ししなさい。」

女官「承知いたしました。」


女官が下がっていく。


ミロ「俺も葵と手合わせしましたが、なかなかの腕前でした。」

童虎「そうじゃの。我ら２人とも、情けない話じゃが手合わせして引き分けに持ち込んだ事はあっても、勝った事は無いからな。」

ロス「最強じゃないですか；」

シオン「むしろ最恐じゃのぅ…（遠い目）」

シュラ「時にシオン様、老師。葵は俺と、いいえ。山羊座と関係があるのでしょう？」

童虎「気付いておったか。」

シュラ「先ほど、磨羯宮の書庫にて確認しましたゆえ。」

デス「宮に書庫なんてあるのか？」

カミュ「案ずるな。貴方にはとんと縁が無い所だろう。しかし、シュラ。貴方と関係があるというなら、彼女は…。」

アフロ「先代の山羊座という事かい？」


その時、教皇の間の扉が開いた。


「何やら、私の噂をしていたようだな？　現代黄金。」

全員「「「葵。」」」


葵は今まで着ていたラフな洋服から、男性的な貫頭衣に着替えていた。

現代黄金たちにニヤリと笑みを見せ、沙織の元へ進んで跪く。


「アテナ、沐浴させていただき、ありがとうございます。」

沙織「少しは気分も晴れましたか？」

「はい。しかし、教皇宮の浴場はいつ、あのように華美な装飾になったのでしょう？　昔はもう少し質素だったような…。」


現代黄金たちの視線がサガに注がれる。


沙織「そうですか？　でも、先ほどまでの疲れきった表情が少し良くなりましたね。」

「おかげをもちまして。」

沙織「さぁ、現代黄金たちも貴女に聞きたい事がありそうですから、ここはお茶会といきましょう？」


沙織が手を叩くと、女官たちが茶器などを持ち込み、あっという間にお茶会の準備が整った。