アレスの思惑とはいえ、時空や世界を飛び越えた。

そして、黄金聖闘士や沙織に出会い、シュラに恋をして、１度は恋に敗れて。

アレスに攫われた葵がシュラをかばって命を落とした。

そして、シュラが己の想いに気付き、嘆き…。

天照の力によって葵が復活し、２人の心は通じ合えた。

その事実から葵が導き出した答え、それは―――。


「…私、この世界に残ります。」

天照『自分の生まれ育った世界を捨てる覚悟か、葵？』

「お父さんもお母さんも、友達も皆悲しむと思うけど…。私、聖域から、みんなから、シュラから離れたくない。元の世界に居る皆を裏切るような行為でも、これだけは譲れないの…！」


もちろん、皆がシュラに劣る存在だとは思っていない。

皆、１人１人が葵にとって大切な人だから。

だけど、シュラと離れ離れになって、二度と会えなくなると思うと…。

彼の傍を望んだ。

その思いを感じ取ったのか、天照は微笑む。


天照『そうか、あいわかった。そなたの優しき心が望んだ運命に祝福を。』

「ありがとう、天照///」

天照『礼には及ばぬが、我が力が及ぶもここまで。帰らねばならぬ。葵、この地で幸せになるのじゃぞ？　…辛き事なれど、そなたの存在を元の世界より消しておく。』

「え？」

天照『葵という娘は最初から、おらなんだ事にしておく。』

「うん……。」