異界の巫女
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2人の抱擁が終わり、天照は葵を見る。
天照『さて、我が世界より誘われし娘、葵よ。』
「貴女は?」
天照『我が名は天照。そなたの住まう世界を創造せし神の1人なり。』
「天照!?」
葵は目を見開いた。
天照『我を知っておるのか?』
「天照大神……。日本神話における最高神、天界を統べる太陽の女神。」
天照『よく知っておる。』
「一応、神主の娘ですから。」
天照『さぁ、ここまで我は葵の魂の修復、葵の肉体の復活、魂と肉体の融合の3つの奇跡を起こしたが、力及ぶはこれまで。我はこの世界で力を使いすぎた。3つの奇跡が終わった今、元の世界に戻らねばならん。そして、再度この世界との扉を開く力を蓄えるに、数百年はかかろう。それがどういう事かわかるか?』
「一緒に元の世界に帰らなければ、もう帰れないって事?」
天照『そうじゃ。そなたを愛し、慈しんでくれた父御や母御。共に学んだ友人たちとも二度と会う事はできぬ。』
葵の胸の中に迷いが生じる。
(お父さん、お母さん、みんな…。)
物知りで優しい父、柔和で大好きだった母。
一緒に遊んだり、泣いたり、笑ったりしてきた友人たち。
その全てが葵の中を通り過ぎていく。
「私は…。」
元の世界で待っている人たちも、この世界で出会った人たちも、葵にとってはかけがえのない人たち。
どちらも失いたくない人ばかり。
天照『葵。そなたの明日は、運命は…。例え神でも定められぬ。そなたの運命はそなたが決めるのだ。』
「私の、運命…。」
天照『さて、我が世界より誘われし娘、葵よ。』
「貴女は?」
天照『我が名は天照。そなたの住まう世界を創造せし神の1人なり。』
「天照!?」
葵は目を見開いた。
天照『我を知っておるのか?』
「天照大神……。日本神話における最高神、天界を統べる太陽の女神。」
天照『よく知っておる。』
「一応、神主の娘ですから。」
天照『さぁ、ここまで我は葵の魂の修復、葵の肉体の復活、魂と肉体の融合の3つの奇跡を起こしたが、力及ぶはこれまで。我はこの世界で力を使いすぎた。3つの奇跡が終わった今、元の世界に戻らねばならん。そして、再度この世界との扉を開く力を蓄えるに、数百年はかかろう。それがどういう事かわかるか?』
「一緒に元の世界に帰らなければ、もう帰れないって事?」
天照『そうじゃ。そなたを愛し、慈しんでくれた父御や母御。共に学んだ友人たちとも二度と会う事はできぬ。』
葵の胸の中に迷いが生じる。
(お父さん、お母さん、みんな…。)
物知りで優しい父、柔和で大好きだった母。
一緒に遊んだり、泣いたり、笑ったりしてきた友人たち。
その全てが葵の中を通り過ぎていく。
「私は…。」
元の世界で待っている人たちも、この世界で出会った人たちも、葵にとってはかけがえのない人たち。
どちらも失いたくない人ばかり。
天照『葵。そなたの明日は、運命は…。例え神でも定められぬ。そなたの運命はそなたが決めるのだ。』
「私の、運命…。」