翌朝、聖域は雲１つ無い晴天で、風も穏やかに吹いていた。

葵を弔うには、これ以上ない好天だ。


沙織（葵さん。これからはせめて、私たちを天国で見守ってくださいね。）


支度を整えた沙織は、黄金の杖を握り締めて友人に祈る。

その両目から涙が溢れるが、それを慌てて拭い、アテナ神殿から出る。

その時だった―――。


？『待たれよ、戦女神。』


巨大な小宇宙が突然、アテナ像の周辺に現れた。

それはアテナに勝るとも劣らない、強大なもの。

それを察知した沙織は慌ててアテナ像まで駆けつける。

黄金聖闘士たちもアテナが教皇の間に出てくるのを待っていた。

聖衣装着の上、葵を弔う。

それは聖域における最大限の礼だった。


シオン「この小宇宙は！！」

ムウ「これは、アテナ神殿の方からです！！」

サガ「くっ、こんな日に限って新たな敵か！？　皆、アテナの元へ！！」

全員「「おうっ！！」」