アレス『何という、何という事だ！　何と愚かな行為に走ったのだ、小娘め！！　神の器に傷をつけるとは！！』


その台詞を聞いた瞬間、シュラは自分の体に流れる血液全てが沸騰するような感覚に襲われた。


シュラ「…誰が、愚かだと？」

アレス『なんだ、この熱い小宇宙は！？』

シュラ「俺の事はどれほど蔑まれてもかまわん。それだけの過ちを犯したのだからな。だが、お前は今、最も口にしてはならん事を口にした…！」


シュラは葵をソッと床に寝かせてユラリと立ち上がった。


シュラ「戦う事も知らず。」


シュラの右手から聖剣が放たれ、アレスの腕を斬り飛ばす。


アレス『ぐおおお！？』


アレスはのた打ち回る。


シュラ「戦いとは縁のない場所で穏やかな一生を送るはずだった、葵の命をかけた行動を愚かと言ったな？　アレスよ。」


再び聖剣が振るわれ、アレスの足を斬り飛ばす。


シュラ「貴様だけは絶対に許せん！！！　アテナより授かりしこの聖剣エクスカリバーで、貴様を冥府へ送り返してくれる！！！」


シュラの聖剣が乱れて発生する。


アレス『ぬわぁあああ！！！』


アレスの五体全てを切り刻むかのように、シュラの聖剣は舞い乱れる。


シュラ「いけ、我が聖剣よ、アレスを葬り去る力となれぇ！！！」


今までに無く、シュラの小宇宙は爆発した。

そして、聖剣がアレスの首を刎ね、アレスの仮初の肉体は断末魔を残さず消滅した。

その黒く汚れきった小宇宙と共に。